「信用不安」に関するコラムを紹介します。
経済的なニュースを見るのに役立つ知識だと思います。
株価が急落する中で、地価の低下と株価の低下が連鎖的に反応して、株式市場の不安定化を高めているという懸念が指摘されている。
株価の低下により、家計の消費行動や企業の投資行動が抑制され、ますます経済全体が悪化するという指摘もある。
これらの議論は、株式市場をテコ入れするための強力な政策的な対応を政府に要請するものである。
しかし、株価は経済の中で決まる内生変数であるから、株価の低下が原因で経済が低迷するという議論は、論理的におかしな議論である。
むしろ、株価の低迷は将来の経済の状況に対する市場の悲観的な予想を反映しているにすぎない。
株価が上昇するとすれば、市場の経済に対する予想が改善される必要がある。配当の将来の流列が増加するとの予想が生じるか、将来に対するリスクが減少するか、利子率が低下すれば、ファンダメンタルズを反映した株価は、上昇するだろう。
経済全体を刺激するのが好ましいとすれば、そ
のための政策的な対応が必要である。それがうまくいくと期待されれば、結果として株価も上昇するのであり、株価を上昇させるために政策的な対応をとるというのは、筋違いであろう。
下記の本を引用しました。