こんばんは。冨樫純です。
前に本を紹介するブログを書きましたが、その本には、他にもおもしろいと思う箇所があったので、紹介します。
ちなみに、その本とは、『現代政治学』
加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦著
有斐閣アルマです。
戦後日本の衆議院の選挙制度は、1946年総選挙の1回だけを例外として1993年総選挙までは「中選挙区制」が採用されてきた。この名称は俗称で、より正確には大選挙区単記投票制と呼ばれる。
各選挙区から3名から5名の代表者を選出した。
一つの選挙区の中の多数派に選挙区全体を代表させる小選挙区制と、選挙区における票数の多い少ないを正確に議席に反映させる比例代表制の中間タイプであり、選挙区内の比較少数派でも代表を出すことができるところから、準比例代表制とも呼ばれた。
1993年総選挙に前後して「政治改革」が大きな争点となったが、その際に金権腐敗の元凶とされたのがこの中選挙区制である。
この制度の下では、同じ政党の候補者同士が政策以外のことで競い合い、結局はカネを多く使った方が勝つことになるので、金権選挙になってしまうというのがその主な理由である。
1994年に、この選挙制度に代えて導入されたのが小選挙区比例代表並立制である。
これは、定数500議席のうち、300議席を小選挙区から、残りの200議席を全国11ブロックの比例代表によって選出する制度である(2000年2月2日、定数を480議席に、比例代表を180議席に削減する改正公職選挙法が成立した)。
小選挙区制と比例代表制の折衷案であるが、両者の間の議席比率からして小選挙区制の特徴が出やすい制度である。
この制度の下では政党間の政策をめぐる争いが中心となるために、金権選挙にはならない、ということが導入の際の根拠であったが、1996年総選挙の際に使われたカネが大幅に減った形跡はなく、そもそも政治改革の課題を選挙制度改革によって解決しようとしたことが間違いであったという意見も出されている。