こんにちは。冨樫純です。
哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
アボカドは栄養になるか
今度はアボカドを例にしよう。
アボカドは、さまざまなビタミンやミネラル、食物繊維、不飽和脂肪酸などを含み、低糖質でありながらカロリーが高い。「森のバター」とも呼ばれ、ギネスブックには、「最も栄養価の高い果物」として登録されている。
すると、アボカドは「食べたら生命に良い影響を与える」という傾向性をもっていると考えられるだろう。
簡単に言えば「栄養になる」ということだ。
しかし、アボカドはすべての動物にとって栄養になるわけではない。たとえば、インコなどの鳥類がアボカドを食べてしまうと循環器や呼吸器に重大な障害が起き、命を落としてしまうこともある。
アボカドに含まれるペルシンという成分は、人間には無害だが、鳥類には深刻な危害をもたらすのだ。
一つのアボカドを二つに切り分け、片方を人間が食べ、もう片方を鳥が食べたとしよう。
人間には栄養となって生命活動に良い影響を与えるが、鳥には毒となり悪い影響が出る。 同じアボカドが正反対の効果をもたらすのだ。
しかし、栄養と毒は正反対の性質であり、同じ
ものがその両方をもつとはどういうことだろうか。
アボカドが栄養であると同時に毒である
ことはどう理解すればいいのか。
この問題の解決法は、毒や栄養を食べる動物の体の構造に相対的な性質とみなすことである。
単に「アボカドは栄養である」と「アボカドは毒である」は両立しないが、「アボカドは人間にとって栄養である」と「アボカドは鳥にとって毒である」は両立する。
私たちがアボカドを話題にするほとんどの場面では人が食べることが念頭に置かれているため「人間にとって栄養になる」の「人間にとって」が省略されているが、正確に言えばアボカドは「人
間にとって栄養になる」ものなのだ。
同時にアボカドは「鳥にとって毒となる」ものなのである。
感想
アレルギー体質の人もいるので、さらに納得しました。
下記の本を參考にしました
『美味しい』とは何か
食からひもとく美学入門
源河 亨