とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

薬物規制と個人の自由

こんにちは。冨樫純です。

 


倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


介入はどこまで許されるか

 


公衆衛生の倫理学の重要な問いは、個人の自由を尊重する社会において、公衆衛生(みんなの健康)を守るために個人の生活に介入することは、どの程度まで許されるか、というものだ。

 


この面でミルの他者危害原則に従えば、この問いに対する答えは、他人に危害を加えない限り、健康に関わる個人の行動は自由だというものだろう。

 


だが、そうすると、現在行なわれている多くの公衆衛生活動は実施できなくなる。

 


たとえば麻薬などの薬物規制は、今日の公衆衛生活動の一つであり、所有や使用が禁止されているものも多い。しかし、ミルの立場だと、麻薬を使用している人が他者に危害を加えない限りは、その人に注意したり説得したり試みることはできるものの、薬物使用を禁止したり罰したりすることはできないことになる。

 


このように、一見したところ魅力的なミルの立場は、公衆衛生という政府の重要な仕事に関しては、大きな足枷になりうる。

 


このミルの立場をどう乗り越えるか(あるいは乗り

越えずに公衆衛生活動を大幅に制限するか)が、当面のところ公衆衛生の倫理学の最大の課題となっている。

 


この問いは理論的にも実践的にも重要であるため、今日、多くの研究者の注目を集めている。

 


感想

 


公衆衛生と自由制限問題は、難しいかもしれませんが、おもしろい論点だと思いました

 


下記の本を參考にしました

 


功利主義入門』

 児玉聡

 ちくま新書

 

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