こんにちは。冨樫純です。
独学で、憲法を学んでいます
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
平和とその達成手段
歴史をみると、「目的は平和、手段は戦争」という状態が長いあいだ続いてきました。
そこでは、平和は、正義が確立されてはじめて存在すると考えられていました。
それが最も明らかなのは、中世のヨーロッパで行われた宗教戦争でしょう。
戦争当事者は、それぞれ自らの宗教を正義と信じ、その秩序に従って生きることこそ真の平和だと考えました。
敵に対しては断固戦い、敵を打ち破って真の平和を確立するのが国の任務と考えたのです。
これを正戦論といいます。
現在の日本国憲法の平和観は、これとは相当に違ったものと考えられます。
たしかに憲法も、どんな平和でもよいとしているわけではありません。 このことは、9条1項が「正義と秩序」 を希求しているとしていることからもうかがえます。
奴隷の状態に慣れ、それを 「平和」 だとする 「奴隷の平和」 では足りないのであって、正義や人権を守る平和が目指されているのです。
しかし、そのためには戦争も辞さない、と考えているわけでありません。 前文2段にあるように、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持」 するというのです。
ところで現在の国際法によれば、国際紛争を解決するための戦争は禁止されています (パリ不戦条約)。
戦争は原則として違法とされているのです。
しかし、例外が2つあります。 ① 自国を他国の侵略から防衛するための戦争 (自衛戦争) と、②国際社会の代表たる国連の承認のもとに行われる国際法違反を排除するための戦争です(湾岸戦争がこれに当たります)。
薄められた正戦論とでもいうべきものでしょう。
感想
「目的は平和、手段は戦争」という言葉を初めて聞きました。
平和のための戦争は、正当化されていたようです。
下記の本を参考にしました
『いちばんやさしい 憲法入門』
初宿 正典 他2名
有斐閣アルマ