とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

死刑は残虐な刑罰か

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、憲法を学んでいます

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


死刑は残虐な刑罰か

 


憲法には、死刑制度を否認する根拠にできそうな条文もあります。

 


その代表は、残虐刑を禁止する憲法36条です。

 


これを根拠に死刑を違憲とする主張は、2つの段階に分けて考えることができます。

 


つまり、死刑制度そのものが残虐だという意見と、死刑の執行方法が残虐だという意見です。

 


まず、前者からみてみましょう。

 


(1) 死刑制度の残虐性

 


死刑は最高裁判所がいっているように、憲法によって予想されているとしても、 それは死刑制度の可能性を示しているに過ぎません。

 


積極的に、死刑制度を法律でつくりなさいと要求しているとは考えられません。

 


そうであるとすれば、死刑が残虐な刑罰として禁止されるべきものかどうかを、さらに考えてみる必要がでてくるはずです。

 


憲法がつくられた時代には、残虐でないとされたものも、今日では残虐と考えられることもありうるのですから。

 


実際、判例も残虐かどうかは「時代と環境とにおいて人道上の見地から」 定まる として、それが変化することを認めているのです。

 


最高裁判所は、死刑制度を残虐とは認めませんでした。 現在もそうだと考えられます。

 


しかし、基準は変化するというのですから。

わたしたちは死刑が残虐かどうかに敏感である必要があることになります。

 


ただ、「人道上の見地から」 残虐であるということをどのように認定するのでしょう。 国民感情にでもよるのでしょうか。 これが難しい点です。

 


(2) 処刑方法の残虐性

 


処刑の方法も残虐でないことが要求されます。 現在わが国で行われている死刑は、処刑室の床の一部を開くことにより死刑囚を落下させ絞首を行う、地下絞架式が使われています。

 


これについて判例は、「現在各国において採用している死刑執行方法は、絞殺、斬殺、銃殺、電気殺、瓦斯殺等であるが、これらの比較考量において一長一短の批判があるけれども、現在わが国の採用している絞首方法が他の方法に比して特に人道上残虐であるとする理由は認められない」といっています。

 


しかし、違憲論の立場からは、現在の処刑方法は残虐であるという主張だけでなく、そもそも人道的な処刑方法などないといった意見が出されています。

 


感想

 


「人道上の見地から」 残虐であるということをどのように認定するのでしょう。

 


国民感情にでもよるのでしょうか。

 


この部分が特におもしろいと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい 憲法入門』

 初宿 正典 他2名

 有斐閣アルマ

 

flier(フライヤー)