とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

他国の制度をそのまま導入できるか

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、経済学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


日本版ペリー就学前プロジェクトは必要か

 


そんなに素晴らしいのならば、ぜひ日本でも同様のプロジェクトを取り入れるべきだと思われるかもしれません。

 


しかし、それを実行するのは現実的ではありませんし、できたとしても、アメリカで見られたような目覚ましい成果を上げられるとは考えにくいのです。

 


一つめの理由は、ペリー就学前プロジェクトが対象としたのは貧しい家庭の子どもたちだということです。

 


貧しい家庭では、子どもにとって望ましい発達環境を用意するのは難しく、プログラムに参加した子どもたちと、参加しなかった子どもたちとの間では、知能指数で社会情緒的能力においても大きな違いが生まれたと考えられます。

 


ヘックマン教授らの一連の研究をもって、幼児に英才教育をすすめるような話を耳にすることがありますが、日本の平均的な家庭環境は、ペリー就学前プロジェクトの対象となっ貧しい家庭の環境よりもだいぶ優れていると考えられますから、ヘックマン教授の研究で報告されたような大きな効果は見られないでしょう。

 


二つめの理由は、ペリー就学前プロジェクトは社会実験として用意された特別に質の高い

プログラムであり、同等のプログラムを低料金で全国的に展開するのはほぼ不可能であるという点です。

 


たとえば、ペリー就学前プロジェクトの特徴の一つに、週1回の家庭訪問がありますが、これを実行するのは大変な手間です。

 


また、子どもたちを実際に指導した先生は、学歴面でも資格面でも特に優れていたため、これだけの人材を日本全国に揃えるのはなかなか難しい

でしょう。

 


もちろん日本の平均的な保育園・幼稚園の質は高く、先生方も大変な努力をされています。

 


それよりさらに質の高い教育を、すべての保育園・幼稚園、そして先生方に均一に求めることが現実的ではないということです。

 


感想

 


他国の制度や政策をそのまま導入することに、賛否が分かれることはあると思います。

 


前提条件も違ってくるし、そのまま導入することには慎重になるべきだとぼくも思います。

 


下記の本を参考にしました

 


『家族の幸せ』の経済学 

  データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実

  山口 慎太郎著

  光文社新書

 

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