こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
外国と比較してみる
1970年から1988年までの内閣提出法案の成立率は、日本では、年によってかなりの上下が見られるが、平均すれば約80%である。
まずこの数字について考えてみよう。
国会は立法機関であるということを重視する人から見れば、高すぎるという気がしないでもない。
1977年や1979年には50%を下回っているが、これこそが本来の姿であり、80% というのは国会がさぼっているように見える。
しかし、議院内閣制のもとで自民党が圧倒的に優位であるということを重く見れば、意外に低いということになる。
法案成立率が100% という年がもっとあっていいような気もする。
やはり漫然と80%という数字を眺めていても、なんともいえない。 こういうときに外国との比較が役に立つ。
とくに参考になるのはイギリス議会である。 イギリスが議会政治の母国であること、そして日本がイギリスと同様に議院内閣制をとっているために、国会の問題は多くの場合、イギリス議会と比較されてきたからである。
イギリスの場合、内閣提出法案の成立率は、平均90%であり、100%成立という年もけっこうある。イギリスとくらべて、日本の成立率は低いということになる。
内閣提出法案の成立率が低い国の方が、議会の力は強いということであれば、日本はイギリスよりも強い議会をもっているということになる。
それにしても不思議なことがあるものである。 イギリスでは政権交代が何度か行われている。 それだけ民主的だといえるのかもしれないが、政権の基盤が不安定で弱いということでもある(もちろん政治が不安定だというわけではない)。
これに対して、日本では1955年から1993年まで、一貫して自民党が政権を独占してきた。
常識的に考えれば、日本の方が内閣提出法案の成立率が高くなるはずである。
しかし、現実は逆であり、政権交代の行われてきたイギリスの方が成立率は高いのである。
感想
たしかに、イギリス議会は不思議だと思いました。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ