こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
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日本の国会の力を示す具体的な例を挙げてみよう。
買い物をするとき、私たちは商品やサービスの値段の5%分を消費税として払っている (1997年度までは3%であった)。
3%の消費税が導入されたのは1989年であるが、話題になってから導入が決まるまでにおよそ10年かかっている。
その間、政府は2度も導入に失敗した。 現在の消費税は、3度目の正直でようやく実現したもの
である。
話は、1979年に時の総理大臣である大平正芳が、国の財政赤字を解消するために同様の税制 (当時は一般消費税と呼ばれた) を導入することを宣言したことに始まる。
しかし、このときは、国民の反発の強さに驚いて、総理大臣はすぐさまこの案を引っ込めた。
国会にかけられるずっと前の段階で消えてしまったのである。 同様の考えを打ち出したのが中曾根康弘総理大臣である。 1986年のことであった。
国民から反発されるのも承知の上で再び新税構想 (このときは売上税と呼ばれた)を打ち出したのは、その直前の衆議院選挙で自民党が 304 議席を獲得するという大勝利を収めていたからである。
衆議院の全議席の6割に相当するわけだから、どんな法案でも通せると思ったのである。
ところが、国会に提出してはみたものの、野党は牛歩戦術や審議拒否を繰り返すなどして猛烈な抵抗をした。
国会は大混乱に陥ったのである。 結局、衆議院の議長が自民党と野党の間に入って調整をはかり、売上税法案は十分に審議されなかったという理由でお流れ つまり審議未了・廃案とされた。
売上税の導入は見送られたのである。
自民党政府は、新しい税金をつくることを1979年からずっと考えていたのであり、中曾根内閣も思いつきで国会に提出したわけではない。
ダメでモトモトとは考えていなかったのである。
しかも、衆議院では自民党が圧倒的優位に立っていた。 それにもかかわらず、このとき売上税は国会の抵抗を前にして見送られることになったの
である。
国会は一定の力どころか、相当の力を発揮したとい うべきである。
感想
消費税を導入するのに、10年もかかっていたことに驚きました。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ