こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル マスメディアは正義の味方?
マスコミリーダーは、少なくとも本人の自覚の上では、政党支持、イデオロギーそして価値観の点で中立的であるといえる。
しかし、本当に中立的かどうかを確かめるには、もう少し検討を続ける必要がある。
たんにタテマエを述べているにすぎないかもしれないからである。
そこで次に、各利益集団に聞いたデータをみよう。 質問内容は、閣僚、野党リーダー、各省の局長、マスコミリーダーの中で、「全国的問題について意見を公にしたいと思った場合、個人的によく知っていて、アクセスできる人がいますか」である。
これは、財界や農業団体などの集団リーダーに聞いたものであるから、マスメディアの自己評価ではない。
しかも、実際に誰と接触できるかを聞いているのであるから、タテマエや嘘をいう危険もより少ないと考えられる。
結論からいうと、マスメディアは、閣僚、野党指導者、各省の局長などにくらべて、幅広い集団からアクセスされている。
閣僚など自民党リーダーへのアクセスがしやすいのは、予想されるように、財界リーダー、続いて農業団体リーダーである。
野党リーダーへは、労働組合リーダーがアクセスしやすい。 各省の局長などエリート官僚へのアクセスが容易なのは、財界リーダーと労働組合リーダーである。
自民党、野党、エリート官僚の場合は、アクセスしやすいと答える利益集団に、このような偏りが見られる。
これに対して、マスコミリーダーに対してはどの利益集団もアクセスしやすい。
こうして、イデオロギーや価値観といった意識面だけではなく、行動面でもマスコミリーダーは一応中立的といってよさそうである。
しかし、マスメディアに対するアクセスの容易さがどの集団でも同じというわけではない。
財界、労働組合、婦人運動にくらべて、市民運動リーダーの方が, マスメディアに対するアクセスが容易である。
したがって、マスメディアは意識の上では中立的ではあるが、実際の活動面では市民運動家に近い立場をとっているといえそうである。
そして、市民運動が多くの場合、政党支持において非自民党、イデオロギーにおいて革新、価値観において近代的であることを考えると、マスメディアの意識も実際はこうした傾向をもっているも
のと推測される。
このように述べたからといって、先の調査でマスメディアが嘘をついている。
タテマエをいっていると非難しているわけではない。
市民運動には、自民党や官僚などの権力エリートへのアクセスが限られている。
権力エリートへのアクセスは経済界によってほぼ独占されている。そのために、市民運動の声は政策にはなかなか反映されない。
そこで、 彼らに発言の機会を与え、彼らの声を政策に反映させるようにすることによって、初めてバランスがとれる。
偏った意見だけが政策に反映されるのを防ぐ、そういう意味で中立性を確保するのがマスメディアの役割だと、マスコミリーダーたちは考えているのである。
感想
マスコミ、特にテレビ局は広告費で成り立っているので、中立的でいるのかはあやしいと思います。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ