こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル マスメディアの影響力
マスメディアは第四の権力と呼ばれることがある。
法、行政、司法にならぶ権力という意味である。
マスメディアが政治に対して大きな影響力をもっていることを示す証拠は数多くある。
まず、非常に劇的な例を挙げておこう。
1980年代には行政改革の一環として国鉄、電電公社、専売公社の民営化が行われた。
このうちとくに国鉄を分割民営化するうえで、マスメディアは非常に大きな役割を果たしたのである。
国鉄改革を行うというアイデアそのものは、行政改革を審議してきた第二次臨時行政調査会 (第二臨調) から生まれたものである。
しかし、40万人の職員を抱える国鉄を、経営側や労働組合の反対を押し切って、分割民営化するというのは大変な仕事である。
しかし、意外にあっさりと実現されてしまった。
そこにはマスメディアによる大々的な後押しがあったのである。
1982年1月、朝日新聞が、国鉄の機関車検査係が10年以上にわたってカラ出張していたことをスクープしたことに始まる。
本当は出張していないのに、出張手当だけを長い間受け取っていたというのである。
が労使一体で不正を行っていることが国民の前にさらされることになったのである。
その後、国鉄におけるさまざまな不祥事が各紙で
報道されるようになった。
テレビも新聞報道を追いかけるように国鉄を批判 非難する報道をするようになる。
たとえば、テレビ朝日の「モーニングショー」
でそれを番組で流した。 そこに映ったのは、仕事時間にもかかわらず、新聞を読んだり、キャッチボールをしたり、オートバイは、 操車場内の様子を近くのビルの2階に設置したテレビカメラで
の運転を練習したりする職員の姿であった。
番組は、「親方日の丸」「民間企業では考えられない」という趣旨のコメントとともにこの映像を流したのである。
このようにマスメディアにたたかれているところにさらに3月、名古屋駅で人身事故が起こった。
原因は機関士の酒気帯び運転にあった。 これによって国鉄への批判はいっそう激しさを増すことになった。
こうして、国鉄を根本的に変えてしまわなければいけないという世論が、マスメディアを通じて形成されていった。
とくに国鉄の「たるんでいる姿」をありありと映し出したテレビの影響力は大きかった。
一般国民を怒らせるのに十分な威力を発揮したといえる。
感想
影響力が大きいがゆえに、政治家の発言が、マスコミの都合のいいように切り取られ、真意が伝わらないという事態も起こっていると思いました。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ