こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
初期キリスト教徒の共同体
キリスト教徒の共同体は、その初期においてすでにユダヤ民族の枠を超え出身地や階層において同質的ではない集団であった。
この集団を支えたのは非政治的な一体化・連帯の原理である愛(アガペー) である。
古代ギリシア語には、性愛を意味するエロスや、 友愛を指すフィリアがあったが、これらとは異質な神の人間に対する愛、人間相互の隣人愛がアガペーであった。
キリスト教徒は、自らの集団を「キリストの体 」
と呼んだ。 イエスが人類のために自らを犠牲にしたように、「聖餐(コミュニオン)」の秘蹟(サクラメント)を通じて、他の構成員と愛の関係に入り、新たな共同体の一員になると考えたのである。
このようなキリスト教徒の共同体にとって、 究極の目的は時間と空間の彼方にある救済であった。
その意味では、あくまで現世における人間性の実現をめざした古代ギリシア的な価値観とは正面から対立する考え方である。
初期のキリスト教徒は、自分たちを政治秩序の外にある存在とみなした。
しかしながら、時間が経つにつれて、最初は仮のものと考えていたこの世について、キリスト教徒としても、それなりに意味づける必要が生じてくる。
感想
階層などで差別せずに、愛の原理のもとに一体化させるところにもキリスト教が広がる理由があると感じました。
下記の本を参考にしました
『西洋政治思想史』
宇野 重規著
有斐閣アルマ