とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

メディア利用におけるジェンダー差

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


メディア利用におけるジェンダー

 


メディアとの接触の環境にもジェンダー間で相違が見られるという。

 


たとえばイギリスの家庭におけるテレビ視聴の調査をしたドロシー・ホブソンは、調査対象となるオーディエンス、とくに高齢女性と一緒にテレビドラマを視聴して、男性は、余分な解釈を許さない閉じた物語を好むのに対して、女性はどちらかというと自らの解釈を加え、生活と結びつけ空想を豊かにするストーリーを好む傾向があるという。

 


もちろん、こうした傾向は先天的なものばかりでなく社会的環境の影響が強いと考えられる。

 


また、デヴィッド・モーリーによれば、男性は、何の妨害もなくテレビ視聴に専念する傾向が強いのに比べて、女性は一般に、会話や家事の合間などの「ながら視聴」がよく見られるという。

 


ここには明らかに、家庭内におけるジェンダー役割が反映しているだろう。

 


日本でも、メディア接触時間という点で、ジェンダー間に差がある。

 


テレビ、ラジオの接触時間は、一般に男性のほうが長いといわれる。総務省統計局による2001年の社会生活基本調査によれば、有業者の男性がテレビ、ラジオに接触する時間は、1日平均2時間14分なのに対し、有業者の女性は、1時平均時間57分であり、無業者の場合も、男性の四時間四分に比べて、女性は3時間1分である。

 


日本の男性の家事的時間が女性の9分の1とたいへん少ないことはよく知られているが、それにともない余暇時間全体が女性より男性が長くなっているということも考えられる。

 


しかし、映画や趣味の読書の時間については、むしろ女性のほうが長いというデータもある。

 


女性のほうが、受け身的な娯楽より、積極的に自分の関心に従って余暇を使っているということかもしれない。

 


インターネットの利用者率も興味深い。

 


国立女性教育会館が2003年にまとめた統計によると、男女とも20〜24歳がピークであるが、 29歳までは女性の利用率が男性より高く、それ以上の年齢では男性がより高い。

 


また、インターネット使用の内容については、女性はコミュニケーションに用いることが多く、男性は情報収集、閲覧が多いと見られている。

 


このように、メディアへの接触状況や接触メディアがジェンダーによって異なっていることにも注目する必要がある。

 


こうしたジェンダーによるメディア利用の違いに対応して、メディア側もさまざまな対応を開始している。

 


たとえば、商業メディア制作や編成の現場で最近頻繁に用いられる用語として「F」「E」がある。

 


「F」は、20〜34歳の女性を指し、「E」は、35〜49歳の女性を意味している(同様に男性については、M、が用いられる)。

 


こうしたジェンダー別および年齢別の視聴者調査の目的は、当然のことながら、広告を通じた消費者の開拓である。

 


現状では男女には依然大きな収入格差が見られるが、若い女性は、低収入にもかかわらず(結婚した女性の場合、家計を握っている割合は国際的に見て高い)、メディアのターゲットになっている。

 


多くの購買、消費活動に接触するジェンダーとして把握されているということである。

 


実際、テレビショッピングをはじめとする通信販売やインターネットオークションなどの利用においても女性が男性のそれを上回っている。

 


感想

 


メディア利用に男女差があるのがおもしろかった。

 


テレビショッピングにハマる女性芸能人が話題になることがありますが、そうなりやすい傾向があるようです。

 


下記の本を参考にしました 

 


ジェンダーで学ぶ社会学』  

 伊藤公雄 牟田和恵編著

 世界思想社

 

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