とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

子どもの貧困の解決策を考える

こんにちは。冨樫純です。

 


本を紹介します。

 


①この本を選んだ理由

 


以前から、この問題が気になっていて、解決策を提案した続編なので、読んでみようと思いました。

 


②こんな本です

 


『子どもの貧困Ⅱ』解決策を考える

 阿部 彩著

 岩波新書

 

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2013年、「子どもの貧困対策法」が成立した。教育、医療、保育、生活。

 


政策課題が多々ある中で、プライオリティは何か?

 


現金給付、現物給付、それぞれの利点と欠点は?

 


国内外の貧困研究のこれまでの知見と洞察を総動員して、政策の優先順位と子どもの貧困指標の考え方を整理する。

 


社会政策論入門としても最適な一冊。

 

 

 

③こんな言葉が印象に残りました

 


何をもって「効果」とするか

 


仮に、さまざまなモデル事業を実施することが可能であるとしよう。

 


プログラムの被験者とコントロール・グループを無作為に選択する。

 


さあ、次は「何を効果として測るか」という問

題である。

 


もちろん、学力向上をめざすプログラムであれば学力テストや進学率、健康に関するプログラムであれば健康状態、食育プログラムであれば栄養摂取量など、そのプログラムごとの目的がはっきりしているものなら、効果を測る指標もおのずと決まってくる。

 


それぞれのカテゴリーで「すべての子どもが享受すべき(生活) レベル」を念頭におきながら、効果測定の指標を選択することが可能である。

 


問題は、保育プログラムや、親への育児相談プログラム、放課後プログラムなど、子どもの自己肯定感や親の精神的サポートなど、目にみえず、測りにくい「効果」を狙っているプログラムの場合である。

 


このような測りにくい効果が実は重要な便益であるプログラムもある。

 


たとえば、近年、日本でも急速に広がっている個別の学習指導は、子どもの学力の向上をめざし

ているものの、それより大きな効果として、子どもが自分と一対一でじっくりとつきあってくれる大人をもつことによる社会への信頼感の回復や、コミュニケーション能力の向上、解けなかった問題が解けるようになるという経験を積み重ねることによる忍耐力の養生などがあげられている。

 


これらは往々にして、 学力テストの点数よりも、子どもの将来においてずっと重要なスキルなのである。

 


このような「効果」を、客観的に測ることは難しい。

 


もう一つの問題が、二つの異なる 「効果」を比べなければいけない時に生じる。

 


効果がありそうなプログラムをすべて実施することは財政的にも無理なので、私たちは 、数多くの選択肢の中から、より効果が高いプログラムを選ばなくてはならない。

 


プログラムAは、貧困世帯の小学生の学力テストの点数を平均10点上昇させることに成功した。

 


プ ログラムBは、貧困世帯の3歳から5歳の子どもの栄養状態を改善し、将来病気となる確率を10%減らした。

 


私たちはどちらのプログラムを選ぶべきなのか?

 


(本文より引用)

 


④この本が気になった方への2冊はこちら

 


『弱者の居場所がない社会』

 貧困・格差と社会的包摂

 阿部 彩著

 講談社現代新書

 


「なんとかする」子どもの貧困

 湯浅 誠

 角川新書

 


興味を持ってくれた方はいるでしょうか?

興味を持った方は、是非読んでみてください。

 

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