とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

貧困と自己責任

こんにちは。冨樫純です。


本を紹介します。


①この本を選んだ理由


朝日新聞で平成の30冊として選ばれていて、その当時も話題になっていたのを思い出し、気にもなったので、購入しました。

 


②こんな本です

 


『反貧困』「すべり台社会」からの脱出

   湯浅 誠著

   岩波新書

 

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うっかり足をすべらせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう。


今の日本は、「すべり台社会」になっているのではないか。


そんな社会にはノーを言おう。


合言葉は「反貧困」だ。


貧困問題の現場で活動する著者が、貧困を自己責任とする風潮を批判し、誰もが人間らしく生きることのできる「強い社会」へ向けて、課題と希望を語る。


③こんな言葉が印象に残りました


たとえば、フリーターについての自己責任論は、


フリーターには、ちゃんとした正社員になるという選択肢があった。


フリーターは、あえてそれを選択しなかった。


本人が弱くてだらしなくて、きちんとした将来設計(自己管理)ができてないからだ。


それは本人の責任である。


給料が安いとか雇用が不安定だレているからそうなる、と展開する。


また、「ネットカフェ難民」についての自己責任論は、アパートを維持する選択肢があったはずだ(もっと安定した仕事に就く、親に頼るなど)。


ネットカフェ難民」は、あえてそれを選択しなかった。


本人が弱くていい加減で、安易に「泊まれるから」と流れていった(自己管理ができていない)からだ。


それは本人の責任である。


お金が貯まらない、生活が大変だと不満を言うのは御門違いであり、社会が甘やかしているからだ、と展開する。


(本文より引用)


④この本が気になった方への2冊はこちら


『弱者の居場所がない社会』

  貧困・格差と社会的包摂

  阿部 彩著

 講談社現代新書


『日本の経済格差』

  所得と資産から考える

  橘木 俊詔著

 岩波新書


感想


この本を読めば、自己責任論では片づけられない現実があることがわかります。


興味を持ってくれた方はいるでしょうか?

興味を持った方は、是非読んでみてください。