こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本を選んだ理由
新書大賞にノミネートされていた本で、彼女の著作を読んだことがなく、気になったので、購入しました。
②こんな本です
『しがみつかない生き方』
「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール
香山 リカ著
平凡で穏やかに暮らせる「ふつうの幸せ」こそ最大の幸福だと、今、人々はやっと気がついた。
雇用、医療、介護など社会のセーフティネットは重要だけれど、自分の外に求めるだけでは、人生はいつまでも満たされない。
「ふつうの幸せ」を手に入れるには、「私が私が」という自慢競争をやめること。
お金、恋愛、子どもにしがみつかないこと。
物事の曖昧さ、ムダ、非効率を楽しむこと。
そして他人の弱さを受け入れること―脱ひとり勝ち時代の生き方のルールを精神科医が提案。
③ こんな言葉が印象に残りました
こんな生活を25年近くも続けていると、世の中の見方もちょっとかたよってくるのが当然だと思う。
私は、「がんばれば夢はかなう」とか「向上心さえあればすべては変わる」といったいわゆる〝前向きなメッセージ"を聞くたびに、診察室で出会った人たちの顔を思い出して、こう反論したくなる。
「あの人はずっとがんばっていたのに、結局、病気になって長期入院することになり夢は潰えたじゃないか」「両親とも自殺して、育ててくれた祖父が認知症になっている彼女が、どうやって向上心を出せばよいのか」
努力したくても、そもそもそうできない状況の人がいる。あるいは、努力をしても、すべての人が思った通りの結果にたどり着くわけではない。
これはとても素朴でシンプルな事実であるはずなのだが、まわりを見わたしてみるととくに最近、そのことを気にかける人がどんどん減っているように思える。
それは、たとえて言えばこんなイメージだ。笑顔で誰かに、「がんばれば夢はかなうんですよ」と言われる。それに対して、こちらは真剣に「いや、がんばれない人、がんばっても夢がかなわない人もいるんです」と反論する。
すると相手は、うなずきながら私の話を聞いたあとで、また笑顔でこう言うのだ。 「努力さえすればどんな夢でもかなうんです」
つまり、努力できない人や失敗して窮地に陥っている人がいることなど、世の中には最初から存在していないかのように扱われてしまうのだ。
精神分析の用語では、この「なかったように扱うこと」を「否認」と呼ぶ。
「否認」がどういうときに起きて、どんな影響をそれをする本人に与えるかについては、もう少し後で述べよう。
(本文より引用)
④この本が気になった方への2冊はこちら
『「発達障害」と言いたがる人たち』
香山 リカ著
SB新書
『大丈夫。人間だからいろいろあって』
香山 リカ著
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。