とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

理想的な社会

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 男も女も、家庭も仕事も

 


さて、「働く主夫」としての経験からいえば、そして「専業主夫」を選んだ勇気ある男たちの経

験から判断しても、今後のぼくたちの進むべき方向は、「男も女も、家庭も仕事も」ということに

落ち着きそうだ。

 


これまで、「専業主婦」たちは、「家庭」に封じ込められ「社会」から疎外されてきた。

 


こんなことを言うと、「そんなことはない、“3食昼寝つき”のいいご身分じゃないか」という男性の声が聞こえてきそうだ。

 


たしかに、現代日本のような「ワーカホリック」(仕事中毒症)社会で生きる男たちに比べれば、「専業主婦」の方がはるかに時間的な余裕がある。

 


家事労働も電化製品のおかげで、かなり軽減されつつある。情報社会の中で、ものを考えたり幅広い知識を身につけたりする機会も、もしかしたら「仕事人間」の男性よりも、女性の方が豊富かもしれない。

 


しかし、「専業主婦」はほんとうに満たされているのだろうか。

 


もしそう思うなら、男性も「専業主夫」を目指せばいいだろう。

 


「そんなことを言っても、男性社会だから男の方が賃金も高いし、扶養家族手当だってあるし、男が働く方が今のところは経済的に有利だから…..……」なんて反応がかえってくるかもしれない。

 


それなら、男女の賃金格差を縮め、年金制度や税制を現在の「家族中心」から「個人中心」に転換したら、男性たちの中からどんどん「専業主夫」が生まれてくるのだろうか。

 


ことはそんなに単純ではないと思う。

 


男たちの多くは、やはり「社会」から切り離され疎外されることに、強い不安や不満を感じることだろう。

 


一方、仕事に生きる男たちはどうか。

 


女たちが「家庭」に封じ込められ、「社会」からの疎外感を抱いてきたように、男たちは「仕事」に封じ込められ、「家庭生活」や「地域生活」、さらには個人的な友人関係や趣味の世界から疎外されてきたといってもいいだろう。

 


家族とのコミュニケーションの時間やゆっくりと夕焼けを楽しむようなゆとりは、男から奪われてしまっている。

 


「仕事」だけの人生が、必ずしも「人間らしい」 人生ではない。

 


このことは、リストラや雇用環境の変化が生まれようとしている今、多くの男性がヒシヒシと感じていることではないのか。

 


それならどうしたらいいのか。少なくともはっきり言えることは、男性たちが、今のような「生き方」を変える必要がある、ということだ。

 


現在、日本の労働者の年間労働時間はだいたい2000時間。

 


欧米の労働時間と比べれば、年間3ヶ月から5ヶ月分くらい余分に働いているという計算だ。

 


おまけに、「地獄」とさえ言われる通勤時間の長さや、表向きの労働時間には加算されないサービス残業、夜の接待・付き合い、さらには休日のゴルフ接待の時間などを加えれば、日本の男たちの労働時間および仕事関連時間は、おそらく膨大なものになるだろう。

 


とはいっても、現在の経済を維持していくためには、仕方がないのではないかという声もあがるだろう。

 


しかし、こういう計算もある。現在の日本の労働は、それこそ実質年間2500時間働いている男と、それを生活面でささえる 「専業主婦」の労働で成りたっている。

 


これを、職業労働時間を男女それぞれ1300~1500時間ほどに均等に割りふったらどうだろう。

 


つまり男も女もフルタイムの労働者として年間1300から1500時間働く社会を作るということだ。

 


生産という面から見たら、計算上は、男一人が働く所帯よりも、所帯全体としては、生産労働時間は長いということになる(もちろん、シングルを選択した人たちには、それに対応する社会サービスを準備しなくてはならないだろう)。

 


こうなれば、男も女も家庭生活を充足させながら働きつづけることができる。

 


「男も女も、家庭も仕事も」という社会が実現するということになる。

 


もちろん、この計算は机上の計算である。実際は、計算通りにいかない部分もでてくるだろう。

 


また、これを支えるためには、社会の仕組みをかなり根本的に転換させる必要があるということも事実だ。

 


しかし、世界的な「常識」は、こうした「男も女も、家庭も仕事も」という方向に向かいはじめ

ている。

 


1995年6月、日本政府は、発効後12年以上も経過していた一つの国際条約を批准した。

 


「ILO156号条約」、いわゆる「家族的責任平等条約」(家族的責任を有する労働者である男女労働者の機会均等及び平等待遇に関する条約)である。

 


簡単にいえば、子どもやそれ以外の扶養責任のある家族をもった男女労働者に対して、家族的責任を十分に充足しうるような社会基盤をつくるということを定めた条約だ。

 


家庭生活と両立可能な働き方をしようということが、この条約の趣旨だろうと思う。

 


家族のある男女労働者の権利の拡大とともに、家族的責任における男女の対等な関係ということが、この条約の前提条件になっているのはいうまでもない。

 


これを本格的に実施するには、労働時間の短縮や時間外労働の制限をはじめ、これまでの日本人の「働き方」の根本的な転換が必要となることだろう。

 


感想

 


ぼくも労働時間が長いと感じていました。

 


なので、もし短縮できるならば大賛成です。

 


下記の本を参考にしました 

 


男性学入門』 

 伊藤 公雄

 作品社

 

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