こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル 親密な夫婦関係がはらむ危機
ジンメルは、現(近)代になってはじめて「親密性」を核とする「夫婦関係」が一般的に成立したとみる。
そしてその関係がはらむ可能性と困難さについて「秘密」を足がかりに考えている。
まず「近代的な婚姻の長所」とは何か。
それは夫婦のコミュニケーションのあり方について制度による制限から一切自由だということである。
近代「以前の文化」ではそもそも婚姻はどのようなものであるのだろうか?
「婚姻は原理的にはけっして性愛的な制度ではなく、たんなる経済的・社会的制度にすぎず、愛の願望の満足はたんに偶然に婚姻と結びついたにすぎず、婚姻は、もちろん例外はあるにしてもたんに個人的な愛着のみからではなく、家の結びつき、労働状態、子孫といった理由から結ばれる。」
そこでは夫婦の生活内容は「先天的で超個人的な規則」によって、つまり昔ながらの伝統や慣習などによって大きく縛られる。
個人的な愛着や親密な心情や性愛的な引き付け合いはむしろ制限され、たとえば家全体を統括する家長と家事全般を司る妻といった、それぞれに与えられた制度的役割的側面が関係の基本を作る。
一定の制度的役割の担い手として、いわば行為のマニュアルとしての「先天的で超個人的な規則」によって相互の振る舞い方が規定されていれば、人はあえて自分自身の心の働きとしての「配慮」の感覚を研ぎ澄ます必要もそのきっかけも生じない。
他者との距離への細やかな「配慮」、つまり知ってよいことと知らない方がよいこととの微妙な判断などは働かせることはできない。
感想
近代以前の結婚観も個人的にはありだと思いました。
ちなみに、いかにも恋愛結婚が素晴らしいという風潮にも否定的です。
下記の本を参考にしました
『ジンメル・つながりの哲学 』
菅野 仁