とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

溶けあいたいという欲望

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


あますところなく溶けあいたいという欲望

 


近代的な婚姻がもっている次のような「誘惑」、とりわけ「最初の時期(つまり新婚期]」に「まったく互いに同化しあいたい」という誘惑に駆られることである。

 


近代的婚姻は、互いの性愛的牽引力(つまり恋愛感情)によって魅きつけられることによって、まず肉体的な一体性を求め、さらに精神的な一体性をも求める。

 


「お互い完全にあますところなく溶けあいたいという誘惑」に駆られがちなのである。

 


近代以降の結婚は、家どうしの利害や財産の保持などではなく、原則として当人どうしの愛の感情によって結び付くことによって成立する。

 


つまり肉体的、精神的一体化への欲求が一対の男女を継続的な関係へと結び付ける。

 


そうした傾向はややもすると「すべてを共有したい」「相手のすべてを知りつくしたい」という距離ゼロの関係を求めがちなのだ。

 


しかしジンメルによれば、「これはたいていは夫婦の関係の将来を大いに脅かすだろう」という。

 


つまり関係の「絶対的な統一性」を求めることは、近代的夫婦関係のような親密な関係でさえ、(いやむしろ親密な関係であるからこそ)関係の解体の危機を招く恐れがあるということである。

 


ここでも彼が強調するのは「秘密」的態度がもつ積極的意義である。「親密な関係」であるからかしろすべてをさらけ出すのではない「繊細さと自制」が要求されるわけだ。

 


感想

 


あますところなく溶けあいたいという欲望というのは、新婚夫婦に特に強く現れるものだとぼくも思います。

 


ただ、個人的には、溶け合いたいと思ったことはないし、そこまで仲が良くなくてもいいと思います。

 

 

 

下記の本を参考にしました 

 


ジンメル・つながりの哲学 』

   菅野 仁

   NHKブックス