こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。
感想も書きたいと思います。
話題 いじりはいじめより100倍恐ろしい
主人公は高校1年生の羽柴典孝。
中学時代、あまり体力がなかったせいで、クラスでは「キョジャック」というあだ名で呼ばれて
いた彼には、もう一つ、忘れたい過去があった。
クラスの人気者めざしてウケねらいばかりした結果、一時的には人気者になれたものの、仲間グループで「いじられキャラ」になってしまったのである。
いじられキャラは、仲間からどんな無理難題を言われても、それを拒まず、仲間を笑わせることをしなければならない。
いじめなんかよりいじりのほうが全然怖いと思う。
一文字違うだけだが、いじりはいじめより100 倍恐ろしい。
なぜなら、いじめの場合、必ず被害者の側にいじめられる原因がある。
先生の目にとまって助けられる可能性もあり、ふと終わることもある。
それに対し、いじりにはこれといって原因はない。
あるとすれば、そいつがとてもおもしろい人間ということだけだ。
いじられる生徒も笑顔でやっているから、先生はじゃれあいと見なし、助けてくれない。
そして、いじりは卒業まで終わらない。
加害者も罪悪感がない。
ここに、いじりの残酷さがある。
そう羽柴は言う。
高校に進学した羽柴は、だから今度はいじられキャラにならないよう、仲間内の人間関係に細心の注意を払う。
たとえば、ある日の学校の帰り道、羽柴は仲間8人といるが、とくに古賀と小山田を選んで、他愛のないさして意味のないトークをして歩く。
意図的にその2人を選んで話した理由は、今日はまだあんまり関わっていなかったからだ。
今は基本的に全員と均等に仲良くなり、評価を上げていって地位を確立しなければならない。
親友を作るのはそれからでいいと計算しての行動である。
ほかにも、たとえば、発言のうちどれがホンネでどれがタテマエか。
あるメンバーが主導権を握ったのはどのようなタイミングでどのような発言をしたからか。
こうした事柄について、羽柴少年は冷静に観察し、分析し、どのような行動を選べばどのような効果が得られるかを計算し、実行する。
そして、ちょっとしたチャンスをとらえて、自分がいじられキャラにならないですむ方法を実行する。
こっそりと、友人をいじられキャラに仕立てあげるのである。
感想
たしかに、いじりは、周囲から見ればじゃれあっているようなので、助けてくれない側面はあると思いました。
下記の本を参考にしました
『コミュニケーションの社会学』
長谷 正人 他1名
有斐閣アルマ