とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

いじめ定議の変遷

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 文部科学省によるいじめ定議の変遷

 


2006年、文部科学省は、それまでのいじめ定義を大幅に変更した。

 


学校現場でのいじめ問題が再び脚光を浴び、マスメディアでも連日にわたって報道され続ける渦中での出来事だった。

 


従来の定義に対して、今日のいじめの実態をとらえ損なっているのではないかという批判が強まり、文科省としても対応を迫られた結果だった。

 


文科省による従来のいじめ定義は、「自分より弱いものに対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」というものだった。

 


1980年代に、いじめの多発がはじめて大きな社会問題となり、対応を迫られた当時の文部省が、全国的な実態調査から得られた知見をもとに作成した定義だった。

 


これ以降は、いじめの認知件数も学校統計に加えられることになるが、いじめの事実が教育現場で認定されるためには、この定義に含まれる「一方的」「継続的」「深刻な」という3要件を満たす

必要があった。

 


ところが、今世紀に入り、いじめ問題が再びクローズアップされるようになると、従来のいじめ定義の3要件が、今日の実態にはそぐわないのではないかという疑問が強まってきた。

 


とりわけ学校現場に詳しい人びとから、統計数字に表れたいじめの認知件数が経験値よりもかなり少ないのは、3要件を満たさないと学校がいじめを認定しないからだという批判が強まってきた。

 


このような批判を受けて、ついに文科省の側も、いじめの現状に関する認識の再検討を始める。

 


そして、その結果を踏まえて従来の定義を破棄し、新しい定義を作成するにいたった。

 


すなわち、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と、いじめの定義を大幅に書き換えることになったのである。

 


感想

 


いじめの定義に変遷があることが、興味深かったです。

 


「一方的」「継続的」「深刻な」という定義も的外れではないと思いました。

 


下記の本を参考にしました 

 


『コミュニケーションの社会学

 長谷 正人 他1名

 有斐閣アルマ