こんにちは。冨樫純です。
「創造性の育成法」についてのコラムを紹介します。
どの方法も、どこかで聞いたことある感じがしました。
知らず知らずのうちに、利用していたのかもしれません。
創造性の育成法に関しては、これまでに多種多様な方法が開発されているが、ここでは代表的な方法をいくつか紹介してみよう。
(1) ブレイン・ストーミング法
オズボーン(Osborn, 1953)が開発した方法である。
集団的創造思考法とも呼ばれるこの方法では、集団討議の形式で自由奔放にアイデアを出し合っていく。
その際のポイントは、集団の成員は何の制約を受けることなく、また他者の発言に対する批判や否定は一切なされないことである。
アイデアが出尽くしたところで評価の段階に移り、実際に使えそうなアイデアを絞り込んでいく。
(2) KJ法
文化人類学者の川喜田二郎が調査データの整理法に基づいて考案した方法である(川喜田,1967)。
この方法では、最初にアイデアを1つずつ「ラベル」(同一サイズの小さな紙片)に書き込んでいく。
次にラベルの分類を繰り返しながら、最終的には大きな紙に図式化して整理する。
このようなプロセスを経ることによって、問題の構造や要因間の相互関係が明瞭になり、新しい発想や発見が促進されるのである。
このようにKJ法のポイントは、バラバラのアイデアを分類・整理・構造化し、それを目に見える形に図式化することにある。
なお、KJ法は単独で行うことも可能であるが、集団討議の形式で行う方が多様で柔軟な発想の創出につながりやすい。
(3) NM法
中山正和が開発したアナロジー(類推や比喩)を活用する発想法である(中山, 1980)。
すなわち、この方法のポイントは、一見無関係なものをアナロジーによって結びつけることによって創造的思考を促すことにある。
実際、アナロジーによって科学上の創造的発見がもたらされた例が数多く知られている。
たとえばニュートン(Newton, I.)は、一見無関係なリンゴと月をアナロジーによって結びつけることによって万有引力の法則を発見した。
下記の本を参考にしました
『心理学』新版
無藤 隆 他2名