こんにちは。冨樫純です。
「ソーシャル・ネットワークとしてのインターネット」についてのコラムを紹介します。
ここには、メリットしか書かれていませんが、デメリットはかならずあると思うので、調べてみたいと思いました。
情報伝達や説得的コミュニケーションの媒体として考えられたマスメディアとは異なり、現在、インターネットにはそれ以上の役割が求められている。
双方向のコミュニケーション・メディアでありコミュニティ形成に好適なメディアであるという特性は、ソーシャル・ネットワークを形成してネットワークを発掘しえているのか、人や社会の幸福感や福利を増進しえているのか、という役割まで求められることを意味する。
典型的な例は、オンラインのサポートグループやセルフヘルプグループの存在である(Cummings et al, 2002)。
サポートを必要とする人がリアルな世界でサポート提供者を求めにくい場合でも、検索機能を用いることでサポート提供者に行き着く可能性は劇的に増大する。
このことは自己開示の問題ともつながっている。
社会的にスティグマ化(タブー化)され、リアル世界で開示しにくい自己を解放しうるのもオンライン世界の特徴で、そのことが相互のサポートやアイデンティティーの維持にプラスに働く(McKenna & Bargh, 1998 など)。
グループレベルでの効果のみならず、こうした個人的な利用において、インターネットでの自己開示や他者との紐帯の維持には、精神的健康を保ち孤独感を軽減する効果をもたらしうることが知られている(志村, 2005; Hampton& Wellman, 2002)。
オンライン・コミュニティが社会の福利にも好ましい効果をもたらす点も、広く論じられている。
インターネットがいかに多様な人々を時空を越えて結びつけるかは、初期の参加観察によるインターネット・コミュニティの研究から熱く語られ続けている(Rheingold, 1993)。
その後、ネット世界が爆発的に拡大し、匿名性の問題等から巨大な公共的 BBSなどで異質な他者への攻撃がしばしば顕在化してからも、多様で異質な人々を結びつける可能性はつねに存在していた。
ノリスはアメリカの世論調査をもとに、インターネット上のグループへの加入が人々を異質な弱い紐帯へと結びつけていることを示した(Nor-
ris, 2004)。
また異質な他者が集まる集団が存続するには、未知の他者に対する信頼感をもち、異質な意見に対する寛容性が高くなくてはならないが、オンライン・コミュニティの利用経験はそういった他者への信頼感や異質な意見に対する寛容性を高めることが示唆されている(小林・池田,2008)。
下記の本を参考にしました
『社会心理学』
池田 謙一 他2名