とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

恋愛は「遊び」の一種か

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 恋愛は「遊び」の一種か

 


ギデンズの議論を踏まえて谷本奈穂(『恋愛の社会学青弓社)は、ロマンティック・ラブが普及した1970年代と、それが転回していった1990年代と2000年代の若者雑誌―男性誌では『プレイボーイ』など、女性誌では「ノンノ』 など―の記事の言説分析をしています。

 


そして、この30年ほどの間に恋愛の結末を結婚とするロマンティック・ラブにもとづく記事が減少する一方で、結果よりもプロセスを重視し、恋愛をシェルターとして享楽的な小宇宙を作り、不確定で曖昧な揺れを楽しむ現代的恋愛―たとえば「友人以上恋人未満」を推奨する記事が増えてきたといいます。

 


すなわち、「永遠を誓う真面目な」ロマンティック・ラブから、未確定な関係を楽しむ「遊び」の恋愛を扱った記事が増加しているとされます。

 


それは、20世紀はじめのドイツの社会学者G・ジンメル(「コケットリー」『ジンメル著作集7 文化の哲学』白水社)のいう「所有と非所有の中間状態」を楽しむ状態―相手を自分のものにしようとして、その願いがなかなかかなえられないことを楽しむ状態です。

 


NANA』でいうなら、こうした未確定な揺れを楽しむ恋愛は、小松奈々がタクミと関係をもちながらノブに告白されて心が揺れるシーンに示されているというのです。

 


しかし、谷本によれば、こうした「遊び」の恋愛の増加の背景で、結婚というイベントが重視されたことによって、結末が引き延ばされたーいいかえると、結婚が否定されたのではなく、過大に重視されたために回避されるというパラドックスが生じているとされます。

 


感想

 


確かに現代に近づくほど、恋愛が遊びになっている感じはします。

 


下記の本を参考にしました

 


『ライフイベントの社会学

   片瀬 一男著

 世界思想社