とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

読書離れの改善策

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 

 


読書離れの改善策

 


①  実学志向の強調

 


いわゆる中堅大学が生き残り戦略として実学志向を強めていることに危機感を表明します。

 


そして、「実学文化の過度の強調による必要性への埋没は、必要性への距離から生まれる学生の文化資本形成力を弱め、大学間格差を大いに広げる」といいます。

 


こうして、読書文化資本が日本では家庭で「相続」されるというより、学校で「獲得」される文化資本である可能性が高い以上、大学での読書教育の責任は大きいといえましょう。

 


②  大学生の図書館利用の仕方を変える

 


図書館利用者の利用方法も問題ありです。

 


大学生の図書館利用行動を調査し、大学図書館がその本来の機能すなわち専門書の閲覧や貸し出し、文献の検索やレファレンス・サービスの提供という面では利用されず、もっぱら「勉強部屋」か「待ち合わせ場所」として利用されていることを明らかにしました。

 


すなわち、「大半の学生の行動は、図書館の提供する全ての可能性の合理的な利用とはほど遠いものと言える。

 


専門の職員や文献カードなどが提供しうる図書館のサービスに対する無理解から、お喋りや行ったり来たりによる時間の浪費に至るまで、学生たちは図書館の本来の機能を理解していないことが分かる」(ブルデュー & マルタン「リール大学図書館の利用者」「教師と学生のコミュニケーション」藤原書店、165ページ)。

 


実際、東京経済大学の調査(「これからの図書館サービスを求めて」)でも、図書館利用目的の第1位は、ほかを抜きんでて「座席・共同研究室の利用」です。

 


しかも、来館頻度が多いほどこの利用法が多く、「ほとんど毎日来館する」者では64%となっています。

 


つまり、図書館利用が習慣化している層は、ブルデューらのいう「図書館の本来の機能を理解していない」学生たちです。

 


これに対して、第2位は「貸し出し・閲覧」ですが、第3位は「待ち合わせ」となっています。

 


さらに「レファレンス・サービス」の存在は7割の者が知っていますが、利用経験者は3割にとどまり、他大学からの相互貸借サービスに至っては「知っている」者は25%、「利用した」者は2.5%にとどまります。

 


感想

 


確かに、実学志向で文系学部不要論もあり、ますます読書離れが進む感じはしていました。

 


下記の本を参考にしました

 


『ライフイベントの社会学

   片瀬 一男著

 世界思想社