こんにちは。冨樫純です。
「家族戦略」についてのコラムを紹介します。
家族と戦略は結び付かないイメージがありましたが、このコラムを読んでそうではないことを学びました。
家族戦略とは、家族内において採用される種々の諸行為を当事者の合理的な利益計算の産物として理解しようとする考え方である。
家族史や P. ブルデューらの研究から提起されてきたもので、出生戦略、婚姻戦略、労働戦略、移民
戦略、相続戦略など家族内の具体的な諸行動のなかの戦略性を包括する概念となっている。
そこでは、家族を取り巻く不確定な社会環境に対して、合理的かつ能動的、自律的にふるまっていく家族像が着目されてきた(田測 1999)。
日本でいえば、子どもをつくらず、子育て費用を夫婦のライフスタイルの多様な選択に使おうとする夫婦や、被扶養者控除を利用して課税額を低めるため、パートタイムで働く女性が一定額以上の
収入にならないように勤務日数の調整をするなどの諸行為が、家族戦略的行為に該当しよう。
家族の利用できる資源の布置状況や社会規範といった構造的要因のなかで、家族の行為選択の余地を見積もっていくという、社会学における構造中心と行為中心という2つの研究視点が、家族戦略研究においても交錯している。
家族は感情と戦略をともに兼ね備える社会的仕組みなのである。
下記の本を参考にしました
『社会学』
新版 (New Liberal Arts Selection)
長谷川 公一 他2名