こんにちは。冨樫純です。
検察官B氏の1日を紹介します。
テレビドラマとどう違うかなどおもしろそうだと思いました。
8:00 起床。
9:30 官舎前からバスに乗り、10分ほどで地方検察庁に登庁。
B氏は検事に任官して10年目。
以前勤めた大規模庁では公判部に所属していたため、公判立会い専属であったが、現在の勤め先は
いわゆる中規模庁で、捜査も公判立会いも行う。
検事正以下検事が10人配属されている。
序列でいくとちょうど中ほどで、バリバリの働き盛りである。上司の決裁も受けるが、若手新米検事の良き相談役でもある。
麻薬係という係検事の指名を受けており、この種の事件は一手に引き受けるが、その他一般事件も広く担当している。
出勤すると、部屋は個室で、立会検察事務官と2人である。被疑者の取調べもこの部屋で行う。
10:00 被疑者が逮捕されている身柄事件の新件送致があり、事件の記録を点検して逮捕から送致までの時間制限のチェックと嫌疑の確認等をしてから、被疑者を部屋に連行してもらい、弁解録取を行う。
身体拘束を相当と判断したので、直ちに裁判官に対する勾留請求書を起案して、記録を事務に引き継いだ。
11:00 その後、勾留中の被疑者を検察庁に押送させ、取調べを行い、供述調書を作成した。
午後の公判立会いがあるので、取調べは1時間半程度で終了。
12:30 部屋で弁当の昼食、午後2時からの公判立会いに備え、準備。
14:00 地検のすぐ隣にある地方裁判所へ赴き、公判立会い。自動車運転過失致死、道路交通法違反(ひきにげ事件)の否認事件である。
被告人側が不同意とした事故現場の実況見分調書について、これを作成した警察官を証人として尋問し、証拠採用してもらい、引き続き、事故の目撃者の証人尋問を行った。
16:00 部屋に引き上げてきて、お茶を飲んで一息ついていると、新米の後輩検事が事件処理の相談にやってきた。
記録を見て、警察への指示の出し方、調書のポイント等を親切に教えてあげる。
17:00 明日、朝一番で次席検事、検事正の決裁をもらうため、勾留中の暴力団員による恐喝事件の起訴状を起案し、事務官に記録の整理を指示。
その後、別事件について、不起訴の理由を記載し
た不起訴裁定書を起案。
その間、県警本部の薬物担当警察官が来訪し、内偵を進めている覚せい剤の組織的密売事件について、強制捜査に着手したいとの相談がある。
逮捕予定者数が多いので、次席検事に話して、若手検事1名と副検事1名の応援をもらうことにした。
18:30 明日は、殺人事件の被疑者取調べの予定があり、事件記録は自宅に持ち帰らないようにしているので、取調べ準備のため残業。
これまでの警察での供述調書等をよく読み、供述の矛盾点を証拠関係と照らし合わせるなどしてメモをとる。
明日は公判の予定はないので、じっくりと被疑者の話を聴くことができそうである。
準備が終わったころ、仕事を終えた同僚検事が部屋を覗いたので、一緒に退庁。
近くの焼鳥屋へ赴き一杯やってから、10時頃帰宅。
23:00就寝。
感想
検察官も裁判官と同じように、忙しく業務をこなしているようです。
サラリーマンのように、残業があったり、新人さんの質問に答えたりするようです。
下記の本を参考にしました
『現代の裁判』第6版
市川 正人 他2名
有斐閣アルマ