こんにちは。冨樫純です。
裁判官 A氏の1日をを紹介します。
一日中判決を下しているのか、そうならば何件くらい処理しているのか、などおもしろそうだと思いました。
7:00 起床。
9:30 官舎に住む同僚2人と一緒に官用車で登庁。
A氏の所属する裁判部は一般の民事事件を扱う民事通常部である。
裁判官4名、裁判所書記官6名で構成されており、A氏は右陪席裁判官として、自分単独で処理する事件200 件をもつ。
合議事件の半分でも陪席裁判官となり、主任の左陪席の相談役も務める。
10:00 午前の口頭弁論。
新件中心に5件を処理する。
1件は被告欠席で終結し、2件は和解の方向、他の2件については弁論準備手続で争点を整理することになった。
10:30 弁論準備手続。
請負報酬をめぐる事件について、当該請負契約
にかかわる文書の提出を受けて、若干の釈明を行い、争点を整理したうえで、口頭弁論で尋問する証人を確定した。
12:00 裁判所の地下食堂で昼食。
前日欠席した裁判官会議の模様を隣の部の同期の右陪席から聞く。
例によって特段重要な問題はなかったとのこと。
13:00 午後の口頭弁論。
13:30 貸金の連帯保証事件の証人尋問。
2名の証人をまとめて尋問する。
これでこの事件の予定の証拠調べは終了したので、弁論を終結し、3週間後に判決言渡しの期日を入れる。
16:30 医療過誤事件の和解期日。
すでに5回目の期日であるが、病院側と医療事故保険の保険会社の話合いがうまくいっていないの
で、もう1度だけ期日を入れてほしいとのこと。
最後の期日ということを念押しして、次回期日を設定。
17:30 官用車に、都合のついた者が乗合で退庁。
18:30 自宅で夕食。
20:00 夕食後、書斎で来週言渡し予定の判決書を起案。
尋問調書を再度読んでいるうちに、予定している判決内容と矛盾する点に気づく。
弁論を再開するかどうかで悩む。
24:00 悩みを抱えたまま就寝。
感想
大変な仕事だと想像はしていましたが、その想像を上回る感じがしました。
単独処理だけで200件もあるし、家でも残業しているようで、忙しい仕事だと改めて感じました。
下記の本を参考にしました
『現代の裁判』第6版
市川 正人 他2名
有斐閣アルマ