とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

薄毛とダイエット

こんにちは。冨樫純です。


「頭髪と体型」についてのコラムを紹介します。


「中身を見てもらうためにも、外見をパスしなければならない」というくだりがおもしろいと思いました。


身体の体型維持や身体改造への意識が強まっているなか、 「外見じゃない。中身が大切だ」という言い方は、「中身を見てもらうためにも、外見をパスしなければならない」という雰囲気に変わっている。


外見の問題はそれだけのようでいて、じつは心のあり方や生き方のスタイルに大きく関わり、人びとに(とくに若者たちに)とって見逃せない部分となってきている。


現代日本社会において、身体に関わって切実な様相をともなう願いとして、女性にとっては太っていず、ダイエットをしてでもやせているということが(浅野 1996)、男性にとっては頭髪が薄くならない、あるいはハゲないということが話題になる場合がある(須永 1999)。


男性からして、どちらかといえばある程度ふくよかな女性が異性として好みであるといわれても、女性にとってやせていることが美しさの基準とされ、その基準は他者との比較というより、自分の理想水準の体型や体重への限りない追求であったりする。


すべてではないにしても、 やせ願望に基づく過剰なダイエットが過食症、拒食症の原因となっていることも多い。


たしかに太って肥満でいることは、病気の引き金となるなど女性が気にする美容面だけでなく健康面にも悪いと評価されよう。


他方、男性の頭髪が薄くなることは健康の文脈と

はかならずしも関係はしない。


ハゲているほうが大人の男らしさを示すとされ

る文化をもつ国もある。


頭髪が薄くなることをめぐっては、老化へ向かう寂しさ、早すぎる抜け毛への動揺、女性にモテなくなることの不安が語られる。


ハゲがからかわれるとき、そこにはそれへの反応をみる 「人格のテスト」がはらまれている。


からかいに対してむきになって抵抗することも、からかわれないように対策を練ることも、そのこと事態がからかいを激化させるねじれをもっている。


ハゲの悩みも頭髪量の多寡というより、それをめぐる相互行為(とくに男性同士)にその辛さが起因しているのである。


下記の本を参考にしました


社会学

   新版 (New Liberal Arts Selection)

  長谷川 公一 他2名

  有斐閣