こんにちは。冨樫純です。
「秩禄」についてのコラムを紹介します。
現代でも、年金カットと言われたら、困る人や怒る人がいるだろうと思いました。
秩禄。これは、とりあえず年金みたいなものだと思っておきましょう。
明治時代になりました。 武士はお役ごめんです。
彼らには、年金が支払われる。それが秩禄です。
ただ、この年金が、国家財政の30%を占めていたのです。
これが結構痛い。
だから秩禄奉還の法 (1873年)で、こういう人を募集します。
「僕、もう秩禄はいらないよ」。……そんなやついるの?と思ってしまいますね。
もらえるものはもらっとかないと損ですからね。
でもたまには、もう秩禄はいらないっていう人間もいる。
そういう人には一時金をあげます。
たとえば、来年からは毎月もらってた5万円はいらないよという人には、何百万とかいうまとまったお金(一時金) をあげるんです。
これからの毎月5万より、今すぐ100万円ほしい人だっているわけです。
でも、これは財政難の対策としては、あまり効果がなかった。
こうなると、もうやってらんない。
「よし、年金あげるのやめちゃおう! 」
強制的に秩禄を返させます。秩禄処分です。
いわゆる武士の年金は全部カット。
でも、単にカットするだけじゃ怒るだろうということで、全禄公債証書というのを与えます。
これは何かというと、「ごめんね、もう年金払
えないの。その代わりまとまったお金をあとであげます」と書かれた証明書、なんか、今の年金制度と似てますね。
下記の本を参考にしました
『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』【改訂版】
金谷 俊一郎
東進ブックス 大学受験 名人の授業