とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

古代ギリシアの影響力

こんにちは。冨樫純です。

 

ギリシアの民主政」についてのコラムを紹介します。

 

哲学もそうですけど、ギリシアの影響力の大きさを感じました。

 

古代ギリシアが生み出したもののなかで、今日もっとも大きな影響を有しているのは、民主政という政治形態である。

 

古代民主政について、今日の民主政治とのちがいを知っておくことは重要である。

 

小規模な国家における直接民主政であったこと、女性や在留外国人に参政権がなかったことなどはよく知られている。

 

しかし、ギリシアの民主政と現代のそれとのちがいは、それのみでなく、たとえば、市民の最高決議機関とされるアテネの民会では、あらかじめ抽選で選ばれた任期1年の500人評議会での審議を経て決議をおこなう慣わしであった。

 

また、アテネでは民衆裁判所が一般の争い事の処理をするだけでなく、民会決議が適法か否かについても任期1年の6000人の審判人で、事件の性格特定の人数から成る個別法廷がそのつど設けられた。

 

さらに民主政社会を動かす行政職も、すべて市民の抽選で選ばれた。

 

任期は1年で、原則として同じ職に10人の同僚がおり、特定の人物が長い期間にわたって職務権限をもつことを不可能としていた。

 

このように、アテネの民主政は、独立の「自由」な国家において、市民の政治的な「平等」を徹底的に追求した制度であった。

 

もっとも、軍事の最高公職である「将軍」職は、抽選ではなく民会の選挙で選ばれ、重任が可能だったので、かのペリクレスは、この職に連年選ばれることをつうじて政治指導力を保持した。


下記の本を参考にしました。
 
『新 もういちど読む 山川世界史 』
「世界の歴史」編集委員会 (編集)
 山川出版社