とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

戦争はなぜ起こるのか?

 

こんにちは。冨樫純です。

 


現在、ぼくは、世界史を学び直しています。

そうすると、いかに戦争が多いことが分かり、

「戦争はなぜ起こるのか」と素直に思いました。

 


そこで、調べてみました。

 


3つ紹介します。

 


現・京都大学総長の山極寿一は、『ゴリラは語る』(講談社)と題する子供向けの著書の中で、戦争の原因として「所有」、「過剰な愛」「アイデンティティ」、の3つを挙げている。

 


①「所有」

 


農耕を始める前の狩猟採集生活の時代には、人々が所有している財はほとんどなかったので、集団の存亡をかけた戦争はまず起こらなかったと考えられる。 

 


農耕を始めて、貯蔵している穀物の量や耕地の面積が大きくなれば、これらを強奪するために武力に勝る集団が戦争を仕掛けるようになったのは、ありそうなことだ。人間以外の霊長類は、現在手にしている物以外に所有している財はないので、個体間の、食べ物や性的パートナーの取り合いをめぐる争いはあるにしても、集団間の大規模な戦争はない。

 


特に重要なのは、土地の所有という概念である。狩猟採集民には、縄張りという概念はあっても、土地の所有という概念は希薄であったろう。獲物がよくとれる草原、魚が沢山いる川、果物が豊富な森は、利用すべき重要な土地だとは思っていても、自分たちの所有物だとは思っていなかったに違いない。

 


農耕や家畜の飼育が土地と強く結びつくことによって、土地は死守すべき重要な財となったのだ。

 


さらに、化石燃料をはじめとする地下資源が、産業の発展にとって極めて重要な財だということが認識されて以来、土地は最も重要な財になったといってよい。国家間の戦争の原因の多くは資源の争奪か、それに伴う領土争いだということからもそれがわかる。

 


②過剰な愛

 


人間ほど「過剰な愛」を持っている動物はいない。愛する者を殺された人の心に芽生えるのは復讐心である。

 


ライオンの群れ(プライドと呼ばれる)は、1頭から数頭の成熟オス、10頭前後のメスと幼獣からなるが、成熟オスが老いぼれてくると、若いオスに群れを乗っ取られてしまう。

 


群れを乗っ取ったオスはまず、群れの幼獣を皆殺しにする。メスは子供を産んだ後、2年間は発情しないため、幼獣がいると、乗っ取ったオスはその間自分の子を作れないのだ。

 


幼獣を殺されたメスは、しばらくすると発情し、自分の子供を殺したオスと交尾して、110日後には通常4頭の赤ちゃんを産むのである。

 


ライオンには愛する子供を殺された後に復讐心は生じないようだ。というよりも人間と同じような「愛する」という感情はないのかもしれない。

 


しかし、人間は違う。愛する者を殺された人は時に復讐の鬼と化し、場合によっては自分の命と引き換えに、復讐を遂げようとする。

 


アメリカがいくらIS(イスラム国)を掃討しようとしても、イスラム教徒を皆殺しにしない限り、テロはなくならないだろう。

 

愛する者を殺された人の復讐心を消すことは不可能だからだ。テロで殺された人の家族もまたテロ組織を憎み、かくして復讐のスパイラルは回り続ける。

 


この悪循環を断ち切るのは、強者の寛容以外にはないのだが、権力は人々の復讐心を権力への求心力に変えて、政権を維持しようとすることが多く、テロの後には必ず、報復という話になり、テロはさらに拡大再生産されることになる。

 

 

 

③「アイデンティティ

 


山極は「アイデンティティ」を帰属意識だと考えているようだ。自分は特定の集団に属しているという意識である。家族への愛は、帰属している集団への愛に代わり、最後は愛国心という話になる。

大相撲で郷土力士を応援するのも、高校野球で母校を応援するのも、オリンピックで自国の選手を応援するのも「アイデンティティ」のなせるわざというわけだ。

 


帰属している集団があることは帰属していない集団もあるわけで、帰属集団への愛は、時に帰属していない集団に対する憎しみに変化しやすいのだろうか。対立している他集団へのコンプレックスが強いとき、他集団への憎しみは集団ヒステリーのようになって、国を挙げて戦争に突き進む原因となることも多いのは、先の第二次世界大戦の始まる前から敗戦までの、日本の状況を考えればよく分かる。

 


敵への憎悪と戦争に勝ちたい願望が頭を占拠して、現実が全く見えなくなってしまったのだ。

 


下記のサイトを参考にしました。

https://news.infoseek.co.jp/article/mag2news_217835/