こんにちは。冨樫純です。
哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
性質帰属
性質帰属のわかりやすい例は記述的判断だ。「このポストは赤い」「このルートビアは甘い」といった記述的判断は、問題となっている対象がある性質をもっていると述べている。
「このポストは赤い」はポストという対象が赤さという性質をもっていると述べている。
豚に、「このルートビアは甘い」は、ルートビアという対象が甘さという性質をもっていると述べている。
このように、「対象がある性質をもつと述べること」が、哲学の専門用語で「性質帰属」と呼ばれるものである。
「このポストは赤い」という判断は「そのポストに赤さを帰属させている」と言われ、「このルートビアは甘い」という判断は「甘さという性質をそのルートビアに帰属させている」と言われる。
「帰属」という言葉は日常会話で使われるものではないが、哲学以外でも使われる場合はある。
たとえば、「この商品の責任はA社に帰属する」といったものだ。この文言は、その商品で問題が起きたときにA社が責任をもつと述べている。
また、「このキャラクターの著作権はA社に帰属する」では、著作権をA社がもつと言われている。
大雑把に言えば、「帰属」は「もつと言う」ということである。
ここで、「性質をもつ」ではなく「性質をもつと言う」というまわりくどい表現が気になった人もいるかもしれない。
こうした言い回しをしたのは、性質帰属と「性質をもつ」は同じではないからである。
というのも、「対象がもつと言われている性質(対象に帰属される性質)」と「対象が実際にもっている性質」が一致しない場合もあるからだ。
たとえば、ある人が「このトマトは赤い」と判断したとしよう。その判断は赤さをトマトに帰属させている。
このとき、そのトマトが実際に赤さをもっているなら、その判断は正しい。
これに対し、実際のところそのトマトはまだ緑だったとしよう。
その人の眼に何か異変が起きて、トマトの色を赤と見間違えてしまったのだ。
このとき、「このトマトは赤い」という判断は間違っている。
その判断は赤さをトマトに帰属させているが、トマトが実際にもつ性質は緑であり、両者が一致していないのだ。
同様に、「このルートビアは甘い」と判断したとき、そのルートビアが実際に甘さをもっていればその判断は正しく、甘くないなら間違っている。
感想
性質帰属の意味は理解しましたが、その使い方がよくわかりませんでした。
下記の本を參考にしました
『美味しい』とは何か
食からひもとく美学入門
源河 亨