こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
私たちが暮らすこの世界においては、すべてがたえず変化している。
しかしながら、真に実在するものとは不変不動であり、時間を超えて単一なのではないか。
プラトンのイデア論の背景には、そのような考え方があった。 そうだとすれば、不安定な感覚に頼らず、純粋に理性の力でものごとの本質を理解すべきではないか。
たとえば、この世に本当に純粋な三角形など存在しないが、三角形のイデア (三角形なるもの)はある。
ピュタゴラス学派の影響を受けたとされるプラトンのイデア論は、どこか数学的である。
これに対し、プラトンの弟子であるアリストテレスは、むしろ生物学から多くを学んでいる。 植物の種子には、葉や花のかたちなど、その植物の未来の姿が秘められている。
その意味では、植物が生長するとは、最初から潜在していたその植物の本質が実現していく過程であるといえる。
ここからアリストテレスは、人間を含むあらゆ
る存在は何らかの目的を実現するために存在すると考えた。
このような発想は近代科学とは異質である。
あらゆる現象は因果関係によって発生するが、 何らかの目的が実現するような終わりは存在しない。
感覚的世界の彼方にイデアの秩序を求めたプラトンに対し、 目に見える事物の中にその本質や目的を見出したアリストテレス。
プラトンが現実とイデアの世界を鋭く対比してとらえようとしたのに対し、アリストテレスはあくまで現実に内在する本質を見出そうとした。
両者の思考法の違いは、その学問体系や政治学にも影響を及ぼしている。
感想
アリストテレスはプラトンの弟子であることは有名ですが、本質的には違っているところがあり、おもしろいと思いました。
下記の本を参考にしました
『西洋政治思想史』
宇野 重規著
有斐閣アルマ