とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

ネオリベラリズムと福祉国家の危機

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


ネオリベラリズム福祉国家の危機

 


1973年に勃発した第4次中東戦争に端を発する第1次オイルショックアラブ諸国イスラエルに対抗するため、石油の減産と禁輸をおこない原油価格が高騰した一を直接のキッカケとして、 戦後の高成長は、突然終わりを告げた。

 


そして先進諸国は、スタグネーション (経済停滞)とインフレーション(物価上昇) の併存するスタグフレーションの時代へと突入し、各国は高失業と高インフレに苦しむようになった。

 


福祉国家の政府は、夜警国家の政府に比べると、「大きな政府」である。

 


そして 「大きな政府」が正当化されるのは、「市場の失敗」―市場は公共財を供給できない、公害などの外部不経済を生み出す、分配の公正に反することがあるが存在するからである。

 


経済成長が順調な時代には、この種の正当化が説得力をもつが、スタグフレーションの時代になると、「市場の失敗」よりも「政府の失敗」のほうが目立つようになってくる。

 


このため 1970年代半ば以降、市場メカニズムに全幅の信頼を寄せるネオリベラリズムの政策思想が、先進諸国でしだいに影響力をもつようになった。

 


ネオリベラリズムはしばしば「新自由主義」と訳されるが、その主張は、自由放任主義に反対して登場した20世紀初頭の「新自由主義」 (New Liberalism)の思想とは異なり、「小さな政府」を強調する19世紀的な旧自由主義の思想に近い。

 


ネオリベラリズムの思想は、経済の領域では自由主義的だが、政治や社会の領域、たとえば、家族やコミュニティに関しては保守主義的であることが多く、「新保守主義」や「ニューライト」と呼ばれることもある。

 


1980年前後になると、ネオリベラリズムの影響を受けた政府がイギリスとアメリカで成立する。

 


79年に成立したイギリスのサッチャー政府と、81年に成立したアメリカのレーガン政府がそれである。

 


これらの政府によって両国の公共政策はネオリベラリズム的に再編された。 しかもその影響は英米以外の諸国にも及び、各国の保守政党のなかにネオリベラリズム的な傾向を生み出した。

 


それだけでなく社会民主主義政党もその影響を少なからず受けた。

 


このような政策思想の変化のなかで、1980年代以降の先進諸国では、福祉国家に対する風当たりが強くなった。

 


福祉国家が「大きな政府」の原因とされ、経済政策の失敗の元凶とみなされたのである。

 


また福祉国家による過剰な給付が、家族やコミュニティの解体をもたらしているとの批判も生まれた。福祉に依存するアンダークラスが形成されつつあるとの主張も現れた。

 


そして、各国で福祉国家の危機が叫ばれるようになった。

 


ネオリベラリズムの政府は「小さな政府」の実現をめざして、各種の改革を断行した。

 


経済政策の領域では、ケインジアンの経済政策を放棄して、通貨管理とインフレ抑制に力を注いだ。

 


また、国営企業の民営化や公共事業の削減に邁進した。 社会政策の領域でも、社会支出の削減を図るために、民営化を追求した。

 


たとえば、イギリスのサッチャー政府は、公営住宅の払い下げを断行し、公的年金や医療サービスの民営化を追求した。

 


感想 

 


大きな政府」は現代では上手くいかないのかと感じます。

 


かといって、市場だけに任せておくのも不安だし、難しいところだと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

flier(フライヤー)