とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

人の名前の許容範囲

こんにちは。冨樫純です。


「悪魔ちゃんとう名前の是非」についてのコラムを紹介します。


確かに、「悪魔」は行き過ぎていると感じます。


子どもが生まれたときに、 親は出生から2週間以内に出生届を役所に提出しなければなりません。


出生届をする人は、原則として、嫡出子(結婚によって生まれた子)は父または母、嫡出でない子(結婚外で生まれた子)については母です。


この出生届の用紙には子どもの名前、性別、出生の年月日、時間、 場所など必要事項を記載しますが、分娩に立ち会った医師などの出生証明書が一緒になっています。


ところで、子どもの名前は法律上だれがつけるのでしょうか。


子どもに命名をする権利は親権の一作用として親の権利であるという考えかたと、名前をもつ権利は子ども自身の権利だが、自分でつけられないため親が代わって代行するという考えかたがあります。


多数説は、命名権は親の権利で子どもの幸せを考えて親が名づけるとの見解をとっています。


それでは、親は、どんな名前でも自由につけることができるのでしょうか。


子どもの名前には、常用平易な文字を用いなければならないという制限はありますが、漢字、平がな、片かな、ならよく、とくに制限はありません (戸籍法 50 条)。


もっとも、著しく珍奇難解難読、忌わしいもの、わいせつなものなど、社会通念上明らかに名前として不適当と考えられるものは受理されません。


たとえば、人に注目され向上する人になってほしいと「悪魔」という名前を届け出たところ、親の命名権の行使は原則として自由だが、例外的に親権の濫用にわたる場合や社会観念上明らかに名前として不適当な場合、また名前のもつ本来の機能を著しく歪める場合、役所は名前の受理を拒否できると判断したケースがあります (東京家裁八王

支部1994·1·31 審判)。


裁判所は、「悪魔」 という名前が、いじめの対象となって本人の社会的不適応を招く危険があると判断したのです。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ