とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

アメリカ人の団結力

こんにちは。冨樫純です。


「団結の国」についてのコラムを紹介します。


イギリスやフランスの植民地だった初期のアメリカだから、団結して戦って行くということだとぼくは解釈しました。


トクヴィルのみた初期のアメリカ合衆国


すべての年齢、すべての地位、すべての精神のアメリカ人たちは、絶えず団結している。彼等はすべての成員たちが参加する商工業的団体をもっているばかりではない。


なお、彼等は、他の無数の種類の団体をもっている。


すなわち、宗教的、道徳的、重大な、無用な、ひどく一般的な、極めて特殊的な、巨大な、ひどく小さな、諸団体など。


アメリカ人は祭を祝うために、神学校創設のために、宿屋を建造するために、教会を建てるために、書物を普及させるために、遠隔地に宣教師たちを派遣するために、団結する。


彼等はこのようにして、病院をも刑務所をも学校をもつくる。


そして最後に、真理を明らかにし、または偉大な実例にたよって、ある感情を発展させようとするときにも、彼等は団結する。


新しい企画事業の際には、フランスでは政府が、イギリスでは大領主が見出されるようなあらゆる場合に、アメリカ連邦では団体が見出されるとみてよい。


貴族的社会では、人々は全体として強力に留置され固められているために、活動するために団結する必要を感じていない。


これに反して、民主的民族では、すべての市民はひとりびとり独立しており、そしてひとりでは弱いのである。


彼等はひとりびとりとしては、殆ど無力なので

ある。


そしてそれらの市民たちのうちの誰一人として、自分の同類者たちを、自分自身に協力させるように強いることはできないであろう。


それ故にそこでは、すべての市民は自由に助けあうことを学ばなければ、すべて無力に陥ってしまうのである。トクヴィルアメリカの民主政治」(下)(Tocqueville 1840=1987:201-03)


アメリカの民主政治」は、21 世紀の今もなお、アメリカ社会論の古典である。


この一節は、アメリ市民社会の原像といえる。


下記の本を参考にしました


社会学

   新版 (New Liberal Arts Selection)

  長谷川 公一 他2名

  有斐閣