こんにちは。冨樫純です。
「世界最古の保険組合」に関するコラムを紹介します。
約300年も前から、誰かに不幸があれば集まったお金の中から一定額の金銭を遺族に渡して生活難を助け合うという考え方があったことに驚きました。
相互扶助の保険組合の記録として残っている最古の組合に、1698年にできたマーサーズ·カンパニー(Mercer's Company)がある。
これは、ロンドンのある教会の牧師たちが集まって組合をつくり、あらかじめ毎月一定の金額を集め、誰かに不幸があれば集まったお金の中から一定額の金銭を遺族に渡して生活難を助け合うというものだった。
ルールは、高齢者も若い人も掛け金は同額で、また、遺族が受け取る金額は払い込んだ期間に関係なく同額というものだった。
このため、初めのうちは助け合いの仕組みとして好評だったこの制度も、やがて、若い牧師たちが、自分たちには不公平だとして脱退したり加入しなくなったため、10年ほどでつぶれてしまった。
加入や脱退が自由な仕組みでは、人ひとりのリスクに見合った保険料を設定しないと、このように制度はつぶれてしまう。
下記の本を参考にしました。
『はじめての社会保障 』福祉を学ぶ人へ
椋野美智子・田中耕太郎著 有斐閣アルマ