こんばんは。冨樫純です。
少し前、ワイドショーは不倫叩きばかりでした。何故そんなに過熱するのか疑問でした。
答えの一つを見つけました。説明します。
答えは、「正義の行動」には快楽がともなうという仕組みが、私たちの脳には備わっているからです。
ここからは、その周辺の話しをしたいと思います。
なぜ不倫がバッシングされるのか、まず、そのメカニズムをみておきましょう。
人類は社会的動物です。
家、家族、会社、学校といった共同体によって、人間社会は成り立っています。
共同体は、その資源(リソース)を増やすために構成員(個人)がそれぞれ一定の協力をし、共同体からリターンを受け取ることで維持されています。
ところが、なかには共同体のリソースを増やすための協力をせず、リターンだけを受け取ろうとする者もいます。卑近な例では脱税がその典型です。こうした存在は「フリーライダー」と呼ばれます。
フリーライダーを放置しておけば、共同体は危機に陥ってしまいます。そのため、フリーライダーを検出し、制裁する機能が共同体には備わっているのです。
フリーライダーを検出するためのモジュールとしては、「妬み」の感情が用いられます。「あいつはズルしていい思いをしている」という感情です。現代社会では、週刊誌やネットメディアが非常に優秀な「フリーライダー検出ツール」として機能してきたと言えるでしょう。
不倫をする男女は、まさにこの標的となります。
社会的な禁忌を破って性的快楽など「おいしいところ」だけを享受してているヤツはケシカラン、と。それゆえ、不倫カップルに激しい制裁を加えることを増やが共同体を守るための「正義の行動」だと信じて、人々は徹底的に叩きのめそうとするのです。この「正義の行動」には快楽がともなうという仕組みも、私たちの脳には備わっています。不倫が発覚するやいなや、人々が狂喜乱舞して、バッシング祭り、に群がるのは、「道徳的ではないから」という観念的な理由からではなく、もっとドライで冷厳な生物学的メカニズムに突き動かされているのです。
(文藝春秋オピニオン2019年の論点100より引用)
当事者でもない、マスコミなどがあれほど取り上げるのか、疑問に思っていました。
これで解決しました。すっきりです。