こんにちは。冨樫純です。
哲学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
人間の不幸の原因
退屈と気晴らしについて考察するパスカルの出発点にあるのは次の考えだ。
人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。
部屋でじっとしていればいいのに、そうできない。そのためにわざわざ自分で不幸を招いている。
パスカルはこう考えているのだ。生きるために十分な食い扶持をもっている人なら、それで満足していればいい。
でもおろかなる人間は、それに満足して部屋でゆっくりしていることができない。
だからわざわざ社交に出かけてストレスをため、賭け事に興じてカネを失う。
それだけならまだましだが、人間の不幸はそれどころではない。十分な財産をもっている人は、わざわざ高い金を払って軍職を買い、海や要塞の包囲線に出かけていって身を危険にさらす(パスカルの時代には、軍のポストや裁判官のポストなどが売り買いされていた)。
もちろん命を落とすことだってある。 なぜわざわざそんなことをするのかと言えば、部屋でじっとしていられないからである。
部屋でじっとしていられないとはつまり、部屋に一人でいるとやることがなくてそわそわするということ、それにガマンがならないということ、つまり、退屈するということだ。
たったそれだけのことが、パスカルによれば人間のすべての不幸の源泉なのだ。
彼はそうした人間の運命を「みじめ」と呼んでいる。「部屋にじっとしていられないから」という実につまらない理由で不幸を招いているのだとしたら、たしかに人はこの上なく「みじめ」だ。
感想
不幸の原因が部屋でじっとしていられないことにあるという指摘は、極端かもしれませんが、そうかもしれないと思いました。
下記の本を參考にしました
『暇と退屈の倫理学』
國分 功一郎