こんにちは。冨樫純です。
「イスラム教の特質」についてのコラムを紹介します。
イスラム教の信者は特に、その教えを守ろうとする意識が強い感じがします。
厳しいが故に、結束力が強いと感じます。
イスラーム教はユダヤ教、キリスト教の流れを汲む一神教であり、「クルアーン(コーラン)」の内容も「旧約聖書」·「新約聖書」の物語に近い。
モーセやイエスも預言者として登場し、両聖書も「クルアーン」と同様に聖典とされる。
ただし、最後の預言者ムハンマドを最良の預言者とし、最後にくだされた啓示「クルアーン」 を最良の啓示とする。
教義は、正しい信仰をもつだけでなく、その信仰が行為によって具体的に表現されなければならないとするもので、「六信五行」といわれる。
「六信」とは(1) アッラー、(2) 神の啓示を運ぶ天使、(3) 神の啓示を書き留めた啓典、(4) それを人びとに伝える預言者、(5) 最後の審判後にやってくる来世、(6) 神の予定の実在を信じることである。
「五行」とは(1)信仰告白、(2) 礼拝 (1日5回メッカにむかっておこなう)、(3) 喜捨(富者が貧者にほどこしを与える)、(4) 断食(ラマダ1カ月間、夜明けから日没までのすべての飲食と性行為を断つ)
(5) 巡礼(義務ではなく余裕のあるものがおこなえばよい)を実行することである。
六信の成立は10世紀後半、五行の成立は8世紀初頭とされる。
以上は、神と人間の関係における規定であるが、信者同士の人間関係の規範も定められている。
そこでは、売買、契約、利子、婚姻、離婚、相続にはじまり、賭け事の禁止、禁酒や豚肉を食べないなどの飲食物の禁忌、殺人をしない、秤をごまかさない。汚れから身を清める。 女性は夫以外の男性に顔や肌をみせないようにするなどの倫理的徳目や礼儀作法などが問題とされる。
たとえば「禁酒」の場合、イスラーム発生期のメッカの住民がことあるごとに酒を飲むようになり、その弊害が目につくようになったことからムハンマドは禁酒の啓示を何回かうけたあと、ついに全面禁酒の啓示をうけることになった。
下記の本を参考にしました。
『新 もういちど読む 山川世界史 』
「世界の歴史」編集委員会 (編集)
山川出版社