こんばんは。冨樫純です。
サッカーの試合を論理的、理論的に見たいと思いました。
その中で、戦術に興味があって、調べてみました。
大きく分けて、4つあると思います。
分かりやすくするために、まずは、攻撃と守備の型を説明します。
攻撃の型
①ショートパス型
細かくパスを繋いで丁寧に相手を崩していく
②ロングパス型
相手の頭上を越す浮き球の長いパス を積極的に使う
守備の型
①ハイプレス型
積極的にボールを奪いに行く
②リトリート型
自陣に後退して相手の攻撃を防ぐ
では、4つのタイプに分けます。
A ハイプレス・ショートパス型
使用しているチーム
戦術のウエイトは攻撃、基本的に自分達がボールを支 配する前提に選択する戦術でもあります。
代表的なチームとしてはラ・リーガのバルセロナ、プ レミアリーグのマンチェスター・シティ-やチェルシ ーなんかが該当します。
Jリーグだと川崎フロンターレ、ロペテギ監督になっ たレアル・マドリードもこちらに分類されると思います。
Aタイプの特徴
特徴としては自分達がボールを持つ時間が長くなるの で相手の攻撃を受けにくくなります。
基本的に配置されている選手たちというのは足元の技 術に優れ、そもそもパスミスやボールロストが少ない 傾向にあります。
選手同士があまり距離を取らずに細かくパス交換をし ながら相手のスペースを狙うことが基本的な攻撃の形 となります。
自分達がボールを持っている時は相手チームがブロッ クを固めていることが多く、そこを崩していくために はかなり速いパススピードが要求されます。
そのため、この戦術が得意なチームはホームゲームの 時にはピッチに水を多めに撒き、ボールの転がりが良 くなるようにしています。
実践するのは難しい
攻撃時に選手同士の距離間を近く保っているため、万 が一ボールロストした場合でもすかさず相手にプレッ シャーをかけることができます。
大体の場合はそこでボールを奪い返すことが多く、 「ミスらない+すぐに奪い返す」の連鎖でボール支配 率が高くなるわけです。
いわゆる「観ていて面白いサッカーだ」といわれるの がこちらの戦術となりますが、この戦術を実践するた めには選手の技術レベルが”かなり高くない”といけま せん。
そのため、プロリーグであっても一部のトップチーム しかこの戦術を採用していません。
B ハイプレス・ロングパス型
使用チーム
こちらもAと同じハイプレスを採用していますが、そ の意味合いはかなり違ってきます。
チームとしてはプレミアリーグのリバプール(少し乱 暴な分類かも?ですが)、ブンデスリーガのライプツ ィヒ、セリエAのローマが該当します。
たまにセリエAのユベントスもこういった戦い方を対 戦相手によってやることがありますが、このチームは ホントにいろんな戦術を駆使することができます。
Bタイプの特徴
サッカー哲学的に攻撃するのに「ボールを持つ必要は ない」っていうのがコンセプトにあります。
できるだけボールの位置を相手ゴール近くに置くこと を優先し、最前線に身長のある選手を配置してその選 手めがけてロングパスを狙うことが多くなります。
そして、このロングパスの成否はさほど重要ではな く、こぼれ球に対して”どれだけ早く寄せることができ るか?”の方が重要になってきます。
そこでうまい具合に相手ボールを奪取することができれば、そのまま相手ゴールめがけて一直線に攻めていきます。
ですから、ボールを奪ってからもできるだけ早い時間 でシュートまで持って行こうすることも大切です。
相手のボールを奪ってすぐは、相手の守備陣形も全く 整っていませんから、非常に効率的な攻撃ができるの がこの戦術の特徴です。
さらに、ロングボールを多用することで「ボールを自 分達のゴールから遠ざける」ことができますから、相 手のショートカウンター(ゴールまでの距離が短いカ ウンター)を食らうリスクも減らせます。
重要ポイント
この戦術のポイントとしてはセカンドボール(ヘディ ングの競り合いなどのこぼれ球)をいかに刈り取れる か?にあります。
基本的にはボールの落下地点を予測しながら人数をか けてボールを奪いに行くため、そこで奪いきれない場 合には自陣の守りが手薄になる傾向があります。
これを実践するにはインテンシティの高さ(球際の激 しさ)は必要不可欠です。
さらにセカンドボールへ寄せる速さもかなり重要です から、スプリントの速さ(足の速さ)やポジショニン グ(ボールの落下地点を予測しながら)の正確性も重 要になってきます。
Aとは違って足元の技術はそこまで要求されず、ボー ル支配率も上がらない傾向にはありますが、ボールを 持っていないときのチーム内の連携や正確なポジショ ニングをするための技術が必要です。
C リトリート・ショートパス型
使用チーム
守備においてはそこまでリスクをとらず、相手のボールを奪ってからはできるだけ自分達でボールを支配する時間を長くしようとする戦術です。
チーム的にはラ・リーガのアトレティコ・マドリード、プレミアのマンチェスター・ユナイテッド、ロシアW杯の時の日本代表など、、、ですが、この戦術っていうのはサッカーにおいてオーソドックスな存在である、といえます。
つまりは残りの3つの戦術と違って、このリトリート・ショートパス型を採用しているチームは圧倒的に多くなっています。
Cタイプの特徴
基本的に守備でプレスをかけ始めるのはハーフェライン付近からです。
そこでも積極的にボールを奪いとろうというよりかは、サイドや味方が密集しているところへボールを追い込んで奪い取ろうとする傾向があります。
とはいっても、基本的には”失点しない”が最優先となっています。
そのため、まずは相手に使われそうなスペースをしっかり消したり、縦へのパスコースを切ったりすることから始めます。
この戦術は攻撃にも守備にもバランスを取りながら戦っていくことが多く、大量得点もなければ大きな失点もしにくいのが特徴でもあります。
効果的に使うには
攻撃の時には自陣深くからビルドアップを開始することが基本となりますが、そこから中央突破を狙うのか?サイドに展開するのか?はチームによって変わってきます。
一方で自陣深くからのカウンターにおいてはどのチームでも同じような攻め方になります。
できるだけ早く相手ゴールまでボールを運ぶことが重要ですので、最短ルートを正確に把握する必要がありますね。
自陣に相手をできるだけ引き込むことによって、相手の背後には広大なスペースが生まれます。
そのため、ロングカウンターを主体に戦いたい場合には一番効果的な戦術であると言えますが、自陣ゴール近くでもボールを保持する傾向があるため、ショートカウンターを食らうリスクはほかの戦術に比べると高くなりがちです。
D リトリート・ロングパス型
使用チーム
Aのハイプレス・ショートパス型とは真逆の戦術です。
この戦術のコンセプトは”絶対に失点しないこと”となります。
チームとしては代表的なものはありませんけど、プレミアリーグの下位チームはビッグ6(シティ、ユナイテッド、トッテナム、リバプール、チェルシー、アーセナル)との対戦の時によくこの戦術を採用しています。
Dタイプの特徴
攻撃の基本はロングパスですが、攻撃そのものを”放棄する”こともよくあります。
前線にいるデカい選手めがけてロングフィードは送りますが、誰もサポートにいかないっていうのはよく見る光景です。
「自分達がボールを持つことにもリスクがある」と考え、ボールの位置をできるだけ相手のゴールに近づけておきたい意図があります。
いわゆる「弱者のサッカー」と呼ばれるもので、一般的には「面白くないサッカーだ」といわれています。
失点しないために
基本的にスコアレス(0-0)の時間をできるだけ長く、というよりそのまま試合が終わってもいいやというスタンスなんですが、自分達の得点チャンスはセットプレー(FKやCK)から狙うことになります。
そのため、守備の時に前線へ残す選手は足が速かったりボールをキープできるタイプの選手が多くなります。
(または中央にデカい選手を置いて、サイドにそういった選手を配置することもあります)
チームの生命線が守備であることから、ゴール前でしっかり体を張ることが重要になります。
対戦相手がミドルシュートを狙ってくることもありますので、そのシュートには体全体を使ってブロックしに行く必要もあります。
技術的に複雑なことは要求されませんが、このようなフィジカル面での強さは求められてきます。
攻撃が難しい
4つの分類の中では一番得点チャンスが少ない戦術ですから、相手に先手を取られてしまった場合には戦い方の変更が求められます。
とはいっても、”失点のリスク”も最も低くくなりますから、「負けないサッカー」をやるうえでは最も適している戦術だと言えます。
下記のサイトを参考にしました。
https://sakarevi.site/tactics-basic/