とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

なぜ大学に行くのか?

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 なぜ大学に行くのか?

 

 

 

なぜ皆が大学へ行きたがるかという謎にも答えが見つかりそうです。荒井一博の『教育の経済学』(有斐閣)は、教育経済学の立場から、このあたりの事情をうまく説明しています。

 


荒井はまずG・ベッカーらの「人的資本論」―社会学では「技術機能理論」にほぼ相当します―から始めます。

 


人的資本論によれば、大学に行くことは学生の生産能力を高める投資行動とみなされます。

 


学生は、大学で知識・技能を身につけ、企業で収益をあげられる能力を開発するのです。

 


ちょうど企業が設備投資をして生産性を高めるのと同様、学生も学費を払うことで教育に投資して、労働者としての生産能力を向上させ、報酬(賃金)の増加を図るのです。

 


ここで問題になるのは、教育への投資収益つまり

教育投資の費用と収益との関係です。

 


世界的傾向をみると、教育の収益率はとくに初等・中等教育では社会的にも個人的にもかなりの高水準にあるものの、大学などの高等教育の収益率はとくに先進国において低くなっている、といいます。

 


荒井はこのことを、経済が発展すると大学に進学する人が増え、人的資本の稀少性が減少することによる、と説明しています。

 


いわゆる「学歴インフレ」です。

 


昔は大学に行く人は少なかったから教育投資の収益率は高かったのですが、 半数くらいの人が大学卒の学歴をもつようになると、そのありがたみもなくなってくる、というわけです。

 


次に、スペンスらの「シグナリング理論」―社会学ではスクリーニング理論に相当します―によると、大学教育は学生個人の生産能力をあげるのではなく、大学入学以前の生産能力についての情報を企業に伝えるシグナルであることになります。

 


よい大学に入れた人は、はじめから能力も高く、要領もよいので、入社後も手際よく仕事を片付けられるよう訓練可能だ、というわけです。

 


感想

 


「学歴インフレ」によって希少性が無くなったというのはあると思います。

 


だからこそ、有名大学の優位性が強まってる感じがします。

 


下記の本を参考にしました

 


『ライフイベントの社会学

   片瀬 一男著

 世界思想社