こんにちは。冨樫純です。
「古代中国の刑罰」についてのコラムを紹介します。
昔は、刑罰が残酷であればあるほど、犯罪の抑止力になっていたのではないのかと感じました。
古代中国では、代表的な刑罰が「五刑」と呼ばれていました。
たとえば、周代では、墨(いれずみの刑)·剛 (鼻切りの刑)·肌(足切りの刑)·宮(生殖器を切る刑)·大牌(首切りの刑)。秦·漢代では、鯨(いれずみの刑)·劇·則·農首(さらし首の刑)·薙(死体を塩づけにする刑)、といった具合です。
また、「車裂」とは、両手両足を別々の馬車につなぎ、合図とともにそれぞれ別方向に車を走らせて、体をばらばらに裂いてしまうという残酷な刑罰です。
総じて中国の刑罰は、体を傷つけるものが多いのですが、これは、中国が「孝」の思想によ肉体の保全を第一に考えるからです。
健全な体で子孫を残すことが、「孝」の第一歩、
体に傷をつけるのは、それに反する行為です。
中でも、体をばらばらにしてしまう車裂の刑は、単に残酷というだけではなく、この「孝」の思想という観点からも非常に重い刑罰だったのです。
ただ、こうした残酷きわまりない刑罰は、中国の専売特許だったのではありません。
実は、日本でも、江戸時代に相当ひどい刑罰や拷問が行われています。自白を強要する「石抱」は、テレビの時代劇でもよく登場しますが、「牛裂」の刑があったことも知られています。
罪人の両手両足を別々の牛につなぎ、それぞれ別方向に走らせて肢体を引き裂のです。
これこそ、日本版「車裂」の刑に他なりません。
下記の本を参考にしました
超入門『中国思想』
湯浅邦弘
だいわ文庫