こんにちは。冨樫純です。
密猟は儲かるというイメージが、ありましたが、やはり、そのようです。
カスピ海はキャピアの産地として有名である。
カスピ海に生息するチョウザメから採られたキャピアは味に定評があり、各国からの需要が大きい。
ところが最近、地元の住民やプロの業者が密漁を行っているため、漁獲量が激減しているのである。
このため、乱獲によるチョウザメの絶滅が心配されている。これはカスピ海のチョウザメの漁場がオープン・アクセスであることによってもたらされる悲劇である。
ちなみにオープン·アクセスとは、学術情報をインターネットを通じて誰もが無料で閲覧可能な状態に置くことです。
1匹のチョウザメより搾り出されたキャビアから、地元住民の平均月収を上回る収入が得られる。
チョウザメ捕獲の平均利潤(平均レント)が通常の仕事から得られる収入よりも高く、しかも密漁で罰せられる確率が低いとあれば、密漁の誘引に抵抗するのは難しい。
私的な観点からいえば密漁は「経済的に合理的」なのである。
しかし、いうまでもなく、社会的な観点からすればこのような事態は望ましいことではない。
チョウザメが絶滅したら、誰もキャビアから収入を得ることができなくなる。
取り締りをすればよいのだが、それも容易ではない。密漁を取り締まるのにも費用がかかるからである。
カスピ海に面する国は、各国が協調的に行動するのが難しい。
また、密猟者は密猟のノウハウをもっており、ハイリスクハイリターンの世界で生活している。
密漁を取り締まるためには、カスピ海沿岸諸国の真剣な取り組みと、より密接な協調が必要である。
下記の本を参考にしました。