とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

ヤクザの行動原理

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。

 


感想も書きたいと思います。

 


話題 ひっかけ、喰いつき、脅し、奪う

 


「人を脅して富を奪い、それを生業としている脅しのプロであるヤクザの脅しは、じつに巧みであるし本当に怖い」

 


「その技術、話術は冗談ではなく名人の域に達する者もいて、なまじな素人ではなかなか対抗できるものではない」

 


「だからといって、そんなヤツらにやすやすと屈するわけにもいかないではないか」

 


そう語る宮本によると、ヤクザの行動原理は「ひっかける、喰いつく、脅す、奪う」の4ステップからなる。

 


事例をあげよう。

 


大学を出てまもなく印刷物や広告のデザイン会社を立ちあげた高輪一郎(仮名)は、以前のアルバイト先の店長団力(仮名)と偶然出会い、団力を通じて関西太郎(仮名)という男に会う。

 


もちろん相手が元ヤクザとは知らない。

 


関西太郎は初対面の高輪をにらみつけ、第一関節からさきがない左の小指をちらつかせながら、「ワシ、むかし極道やっとってな」と語り出す。

 


過去の組同士の抗争事件について、「シノギ」「カスリ」といったヤクザ特有の言葉を駆使しながら。

 


その後も、関西太郎から呼び出されては、過去の栄光を高輪は聞かされる。

 


そのなかで「水道代と電気代が安くなる設備」の事業を共同でやる話を、関西太郎からもちかけられる。

 


高輪はそんな事業をするつもりはなかったが、はっきり断らず、つきあい程度に事業のための営業回りをした。

 


はっきり断らなかったために、高輪はひっかけられてしまう。

 


オレはこの事業の準備のために800万円という大金をつぎ込んだ。

 


にもかかわらず、オマエはこの事業に真剣に取り組まなかった。

 


そういって関西太郎は喰いつく。

 


たとえば、関西太郎は高輪のセドリックに目をつけ、自分のジープと交換しろと高輪に迫る。

 


高輪の「冗談でっしゃろ」という発言に、「なにいうてんねん、こら! おのれにたれる冗談なんぞあるかい。気安うタメグチたたくな、このボケッ!」と怒鳴りつけ、無理やり交換させる。

 


喰いつかれてしまった高輪は、あとは脅され奪われるばかりであった。

 


関西太郎から自分の女(和子、仮名)がパソコンを習いたいから教えてやってくれと頼まれ、高輪はしぶしぶ承諾する。

 


「和子、人にモノ教えてもろたら、恩返しちゅうもんせなあかん。巧くなったら高輪社長の役に立つよう会社で使うてもらわんとな」

 


高輪は単なる社交辞令と思って聞き流す。

 


とにかくこの場から一刻も早く立ち去りたいという気持ちしかない。

 


こうして和子の自宅でパソコンを教えるようになると、「人の女に手ぇだして、どないしてケツ拭く気や!」「いつになったら、和子をおまえの会社で働かせてくれるんや!」「オレの女に仕事ださんかったこと、ケジメつけぇ! すぐに10万もってこい!」と脅し始める。

 


ひっかけて喰いつき、脅して奪うというプロセスがなんども繰り返されるわけである。

 


感想

 


ヤクザの行動を、冷静になって分析するところがすごいと思いました。

 


ぼくなら、ただただ怖くて頭が真っ白になると思います。

 


下記の本を参考にしました 

 


『コミュニケーションの社会学

 長谷 正人 他1名

 有斐閣アルマ