こんにちは。冨樫純です。
『「旬」に関する新しいブランドをデザインする』についてのコラムを紹介します。
旬、たくましさ、マンガ、ビジネスパーソン、栄養ドリンクが繋がるイメージが全くなかったので、その発想に感心しました。
①インプット
「旬」を正面からとらえ「旬」といえばやはり「食」だろうと考えたところからスタートしました。
彼らは「『旬』にはおいしいという味覚価値以外にも何か別の価値があるのではないか?」という問
いを立てました。
そして、まずは生産している人たちに話を聞きに行こうと農地に赴き、農家の方々にインタビューをしました。
すると、興味深い話が聞けました。
農家の人いわく、「旬=露地栽培」であると。
ハウス栽培の商品に、旬は関係ありません。
さらに農家の人は「露地栽培は厳しい体育会のようなものだ」と教えてくれました。
雨に耐え、風に耐えて育ったものだけが出荷される。
つまり、「旬というのは、厳しさに耐えてきた証」であると聞いてきたわけです。
なるほど、『旬=たくましさ』というイメージがあるのか。
ここに彼らの大きな発見がありました。
彼らはインタビューをもとに「たくましく生きるということと、ビジネスパーソンの生きざまには何か関係性があるんじゃないか」と、新たな「問い」を立てました。
そして、ビジネスパーソンが登場するマンガをひたすら読み続けて、「ビジネスパーソンが『たく
ましさ』についてどう考えているか」「忙しいときにどのような行動をとっているのか」などを調べました。
その結果、「どのマンガでも仕事や遊びで忙しいときには栄養系のドリンクを飲んで頑張っている」ということを発見しました。
②コンセプト
「旬=たくましさ」というイメージと「ビジネスパーソンは栄養系のドリンクを飲んで頑張る」という調査結果の2つを掛け合わせて、新しい商品ができないかと考えたわけです。
エネルギーを、たくましく今を生き抜く人に注入する=青空飲料」というコンセプトが生まれました。
③アウトプット
彼らは商品名を「青空飲料 SURVIVOR (サバイバ
ー)」としました。
材料は旬でできた素材とし、春夏秋冬で素材を変えることにしました。
たとえば秋ならばカボチャとザクロとニンジンを使用する……という提案でした。
下記の本を参考にしました
『東大教養学部「考える力」の教室』
宮澤 正憲著
SBクリエイティブ