とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

アメリカの貧困問題

こんにちは。冨樫純です。

 

本を紹介します。

 

①この本との出会い

 

ベストセラーとして、話題になっていたので、購入しました。

②こんな本です。

『ルポ 貧困大国アメリカ』
堤未果
岩波新書

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貧困層は最貧困層へ、中流の人々も尋常ならざるべースで貧困層へと転落していく。
急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか。
追いやられる人々の肉声を通して、 その現状を報告する。
弱者を食いものにし、一部の富者が潤っていくという世界構造の中で、それでもあきらめず、この流れに抵抗しょうとする人々の「新しい戦略」とは何か。(本文より引用)

 

 

③こんな言葉が響きました。

 

間違いだらけの肥満児対策

 

エスト·バージニア州にあるハミルトン中学校。生徒たちの間では今、飛んだり眺ねたりす
るゲームが大流行している。


「これ、最高ですよ。 初めて体育のクラスでこれを試した時は、みんな大興奮でした。毎日や
ればきっと、1か月で10ポンド(約4・5キロ)くらい体重を減らせると思います」

 

そう言うのは同中学校に通うリンダ·マックビールだ。
体重が160ポンド(約72キロ)のリンダは肥満症と診断され、家庭収入が貧困ライン以下のため、無料・割引給食制度を利用している。

 

2007年2月ウエスト·バージニア州は、 急理する子どもたちの肥満にブレーキをかけないと州の医療費が足りなくなるという予測から、肥演児対策を最優先課題の一つに挙げている州メディケイドの場合、一人当たり年間平均6・700ドルと、非常に高額な負担になる。

 

そこで同州は思い切った政策の導入に踏み切った。州内にある公立学校全765校における


DDR」(ダンス·ダンス·レボルーション)というゲーム機導入計画だ。

 

日本のコナミ社が販売する「DDR」は、3分間流れる音楽に合わせ、画面に出てくる矢印の指示通りに専用マットでステップを踏んでいき得点を稼ぐエクササイズ系のゲームだ。


手始めに103校に導入し、約2年間で全公立学校に普及させる予定だという。

 

ニ ューージャージ ー州で看護師を しているシ
ャーリーン·ブレマーの家で、「DDR」をゃってみた。


たった3分間だが、リズミカルな動きを続けるとかなりカロリーを消費する。
汗だくになった私の前に差し出されたのはとろりとしたチョコレート味のミルクだ。

 

聞けば2001年に、アメリカ農務省は肥満児の栄養状態改善策として「ミルクを飲みなさい」 (Got Milk ?)というキャンベーンを打ち出したという。
いくら栄養価が高くても、コーラやスプライトで育った子どもがはたしてミルクなど飲むだろうか?
私の疑問にシャーリーンが苦笑いする。

「もちろん飲みやしないわよ、人工的にチョコレートの味をつけない限りね」

 

そして農務省はその通りにした。このキャンペーンが実施された年に「チョコレートミルクを飲もうキャンベーン」に参加した食料科品店は全米で2万8000軒だったという。

 

チョコレート味が大好きなアメリカの子どもたちが農務省の計画通り毎日チョコレートミルク
を飲んだ場合、彼らは普通のミルクより234カロリー多く摂取することになる。

 

シャーリーンは肩をすくめてこう言った。


「政府の考えてることってきっぱりわからないわ。太った子どもたちがせっかく汗をかいても、体育館を出たすぐの廊下にはずらっとスナッーク菓子やコーラの自販機が並んで待ってるのよ。(本文より引用)

 

 

④この本が気になった方への2冊はこちら

 

『日本が売られる』幻冬舎新書
堤 未果著
幻冬舎新書

 

『政府は必ず嘘をつく 』増補版
堤 未果 著
角川新書

 

興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。