とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

原発事故と観光地化

こんにちは。冨樫純です。

 


哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


原発事故を未来に伝えるための「観光地化」

 


2012年10月の28日と29日、福島県南相馬市に行ってきました。

 


現地でワークショップを開くためです。

 


ぼくが発行している『思想地図』は、次号で「福島第一原発観光地化計画」という特集を予定しています(のち2013年秋に発売)。

 


25年後の福島第原発跡地を観光地に変えてしまおうという計画です。

 


なぜ25年後かというと、チェルノブイリが関わっています。チェルノブイリは1986年に原発事故を起こしたので、25年後は2011年、ちょうど東日本大震災の年にあたります。

 


日本ではあまり知られてないことなんですが、 チェルノブイリ原発の周辺はすでに除染が進んで、観光客も立ち入りができるようになっています。

 


チェルノブイリから南へ約130キロのところにあるウクライナの首都、キエフからツアーバスが出ている。

 


石棺と言われる、事故を起こした四号機のすぐそばまで行けるんです。

 


福島第一原発でも将来、同じようなことが起こると考えられます。東京から福島第一原発まで約220キロ。

 


車で数時間ですから、多くの観光客が福島原発の跡地を訪れる可能性は十分にある。

 


だとしたら、跡地をそのまま放置するのではなく、どのように観光地化し、事故の悲劇をどのように未来に伝えるかをいまから考えておくべきではないのか。

 


そのシミュレーションが「福島第一原発観光地化計画」です。 「ダークツーリズム」という考え方に基づいています。

 


メンバーはぼくのほかに、ジャーナリストの津田大介さん、IT企業経営者の清水亮さん、建築家の藤村龍至さん、アーティストの梅沢和木さん、ライターの速水健朗さん、社会学者の開沼博さん、観光学者の井出明さんです。

 


分野の異なる、個性的な方々に集まっていただき、継続的に研究会を開いてきました。

 


感想

 


「観光地化」というと少し抵抗がありますが、後世に伝えていくべきだと思います。

 


下記の本を參考にしました

 


『弱いつながり』 

検索ワードを探す旅

東浩紀

幻冬舎文庫

 

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ネットのよくある批判

こんにちは。冨樫純です。

 


哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 

 

 

ネットでは見たいものしか見ることができない

 


日本では、戦後の高度成長期が終わって昭和が終わって冷戦が終 って、うこれ以上新しいことはなにも起きない、みたいな気分が支配的です。

 


「終わりなき日常」と言われる感覚ですね。

 


3・11の震災が起きても、その気分は強固に残っている

 


「この世界はどこもかしこも同じで、新しいことなんかない」

 


「海外に行くんだったら、アニメのDVDを買って家で見たほうがいい」みたいな感じ。

 


個人の趣味に口を出すつもりはありませんが、さすがにまずいと思うのは日本が最高だと思ってるひとが多いこと。

 


若い世代の論客も、いまの自分たちの生活を肯定するために言葉を連ねていて、そういうひとが人気がある。

 


しかし、年金は近い将来破綻するし、産業は崩壊しているし、震災も起き、政治はまったく機能していない。

 


それでも本当にいい国なのか。ましてや「最高」か。

 


ネットは、そういった自己肯定を強化してくれるメディアです。

 


ツイッターに代表されるソーシャルネットワークは、基本的に無料だからお金のない若者がいっぱい集まって来る。

 


有名人はそんな「お金のない若者」の人気を取らなければならない。結果、ある種の情報は隠すようになっている。彼らは「牛丼食いました」「コンビニ行きました」とは書くけど、「どこどこのホテルに泊まった」とはほとんど書かない。

 


いまネットで人気を集めるためには、自分も同

じ庶民ですとアピールしなければならないことをよく知っている。

 


だからネットに出てくる情報は、「ぼくもみなと同じくらい貧しいよ、みなと同じくらい忙しいよ」というものばかり。

 


でもそれはフィクションなんです。

 


ツイッターには大金持ちの経営者がいっぱいいる。彼らのアカウントをフォローすると、彼らに近づけたような気がする。でもそれは幻想です。

 


彼らのつぶやきをいくら追っていても、彼らがどれだけの資産をもってて、どんな車に乗ってて、どんな生活をしてるのか、じつはまったく伝わってこない。

 


本当にリアルな情報はツイッターには書かれていない。

 


ネットには情報が溢れているということになっているけど、ぜんぜんそんなことはないんです。むしろ重要な情報は見えない。なぜなら、ネットでは自分が見たいと思っているものしか見ることができないからです。

 


そしてまた、みな自分が書きたいと思うものしかネットに書かないからです。

 


バックパッカーバックパッカーが見るインドについてしか報告しないし、

 


金持ちは金持ちが見せたい自分のすがたしかつぶやかない。

 


感想

 


見たくないけど重要なことは何で得れぱ良いのかという疑問は残りました。

 


下記の本を參考にしました

 


『弱いつながり』 

検索ワードを探す旅

東浩紀

幻冬舎文庫

 

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検索と欲望

こんにちは。冨樫純です。

 


哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


旅は「自分」ではなく「検索ワード」を変える

 


ぼくらはいま、ネットで世界中の情報が検索できる、世界中と繋がっていると思っています。

 


台湾についても、インドについても、検索すればなんでもわかると思っています。

 


しかし実際には、身体がどういう環境にあるかで、 検索する言葉は変わる。

 


欲望の状態で検索する言葉は変わり、見えてくる世界が変わる。

 


裏返して言えば、いくら情報が溢れていても、適切な欲望がないとどうしようもない。

 


いまの日本の若い世代―いや、日本人全体を見て思うのは、新しい情報への欲望が希薄になっているということです。

 


ヤフーニュースを見て、ツイッターのトピックスを見て、みんな横並びで同じことばかり調べ続けている。

 


最近は「ネットサーフィン」という言葉もすっかり聞かれなくなりました。サイトから別のサイトへ、というランダムな動きもなくなってきていますね。

 


ぼくが休暇で海外に行くことが多いのは、日本語に囲まれている生活から脱出しないと精神的に休まらないからです。

 


頭がリセットされない。日本国内にいるかぎり、九州に行っても北海道に行っても、一歩コンビニに入れば並んでる商品はみな同じ。

 


書店に入っても、並んでる本はみな同じ。その環境が息苦しい。

 


国境を越えると、言語も変わるし、商品名や看板を含めて自分を取り巻く記号の環境全体ががらりと変わる。

 


だから海外に行くと、同じようにネットをやっていても見るサイトが変わってくる。

 


最初の一日、二日は日本の習慣でツイッター朝日新聞のサイトを見ていても、だんだんそういうもの全体がどうでもよくなっていく。

 


そして日本では決して見ないようなサイトを訪れるように大きな意味がある。

 


感想

 


たしかに、欲望によって見る情報は違うと改めて思いました。

 


下記の本を參考にしました

 


『弱いつながり』 

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 東浩紀

 幻冬舎文庫

 

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共産党がしばしば与党になる地域

こんにちは。冨樫純です。

 


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そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


日本にいて「ケーララ」と打ち込む可能性

 


旅行は世界遺産めぐりです。

 


デリー、アーグラー、ジャイプルと、世界遺産だらけの三都市を廻りました。

 


雑踏に塗れることもなく、自分探しもしていません。 リキシャーに乗って町を廻るぐらいはしましたが、娘は牛糞と汚水にれた道を本気で嫌がってました。

 


子どもはそんなもんです。

 


休暇旅行ですから、三日に一日はホテルのプールで子どもを遊ばせながら仕事もせずにだらっとしてました。

 


そういうときはネット三昧になります。

 


そこでインドについていろいろとサイトで調べていくなかでぶち当たったのが、南部にあるケーララ州でした。

 


このケーララ州というのは、日本ではあまり知られていないし、ぼく自身もまったく知らない土地だったんですが、けっこうおもしろい。

 


識字率が高く、乳幼児死亡率は低く、インドのなかでは先進的な地帯なんです。 IT推進地帯でもあって、リチ ・ド・ストールマンのアドバイスを聞き入れてフリーソ分ト化が進んでいるらしい。

 


アラビア海に面したビーチリゾートでもあって、観光業も強い。人口は3000万人ぐらい。

 


おまけに特記すべきは、ここは共産党がしばしば与党になるらしいんです。

 


世界中でも、左翼政権がこんなにうまくいっている地域はめずらしいとのことで、注目を浴びている。

 


さらに興味深いのが、ここの土地は海岸線付近に特殊な岩盤があるらしくて、自然放射線量が高いんですよ。

 


もっとも高いところでは年間20ミリシーベルトぐらいあり、一部では双子の出生率が有意に高いそうです。

 


IT、左翼政権観光、放射能

 


いまぼくは「福島第一原発観光地化計画」なるものをやっているのですが、その観点から考えさせられるキーワードばかりです。

 


しかしここで決定的に重要なのは、いまぼくがしゃべったことは、じつはほとんど日本語で、インターネット上に当たり前にある情報だということです。

 


でもぼくは知らなかった。読者のみなさんも、ほとんどのかたは知らなかったと思います。ネットでいくら情報が公開されていても、それは特定の言葉で検索しなければ手に入らない。

 


ケーララの情報に辿り着くためには、検索で「ケ

ーララ」と入れなければいけない。それがネットの特性です。

 


ではぼくはどうやって「ケーララ」に辿り着いたか。

 


それはインドに行ったからです。現実にインドに行かなければ、ケーララを検索する機会はなかったでしょう。生涯調べることがなかった言葉かもしれない。

 


ネットは、ここでどうしてもリアルを必要とします。

 


感想

 


共産党がしばしば与党になる、という事実に驚きました。

 


何故成り立っているのか不思議です。

 


下記の本を參考にしました

 


『弱いつながり』 

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台湾の内部対立

こんにちは。冨樫純です。

 


哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


行ってみなければわからない

 


2012年の秋に台湾に行って来ました。

 


ぼくの本、『動物化するポストモダン』の中国語版が刊行されることになり、向こうの出版社に招かれたのです。

 


台湾の人は日本好きが多い、というのはよく聞きます。けれども本当はそれほど単純ではありません。

 


台湾には、台湾人(本省人)と外省人という区別があります。台湾人というのは、日本の植民地時代からずっと台湾に住んでいるひとです。

 


外省人は、第二次世界大戦後、国民党の蒋介石と一緒に大陸から渡ってきた、新しい台湾住民です。

 


この対立が戦後の台湾政治を規定しています。

 


そのことは知っていたのですが、今回台湾に行きはじめて知ったのは、「日本のサブカルチャーが好きだ」と言っているのは基本的には台湾人の子弟たちだということです。

 


感想

 


日本の植民地時代からずっと台湾に住んでいるひとたちが、親日派の人が多いということになるようです。

 


また、あの小さな国でも対立があることに驚きました。

 


下記の本を參考にしました

 


『弱いつながり』 

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東浩紀

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起業家とは

こんにちは。冨樫純です。

 


本を紹介します。

 


①この本を選んだ理由

 


読書が趣味のぼくにとって、本で人とつながりたいとは思っていました。

 


それをオンラインという形でそれを実現した彼女に興味があり、購入しました。

 


②こんな本です

 


『あすは起業日!』

 森本萌乃著

 小学館

 

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電通での激務を経てオンライン書店「Chapters(チャプターズ)」を起業した著者が、これから起業を考える全ての日本人に贈るビジネス小説。

 

 

 

③ こんな言葉が印象に残りました

 


「では、起業家って普通はどうやってサービスを始めるんですか?」

 


「自分の過去の経歴を活かすケースが多いですね。あとは、不便を便利に! 遅いを速いに!

 


そういう分かりやすい変化をもたらす事業がスタートアップには向いています。

 


領域も絞って起業される方が多いかと。これは私のおせっかいですが、加藤さんの場合はサイドビジネスとして、小さく継続された方がいいかもしれませんね」

 


朝日奈さんは終始笑顔を崩さない。それが逆に不気味だった。

 


初めてのVC面談で勝手が分からないことばかりだったが、その笑顔がつくり笑いであることは誰の目からも明らかだ。

 


(本文より引用)

 


④この本が気になった方への2冊はこちら

 


『本屋のミライとカタチ』

 新たな読者を創るために

 北田 博充

 PHP研究所

 


『ストーリーでわかる

 起業家のためのリスク&法律入門 』

 致命的な失敗を避けるための26話

 下平 将人 他1名

 ダイヤモンド社

 


興味を持ってくれた方はいるでしょうか?

興味を持った方は、是非読んでみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



ネットと所属

こんにちは。冨樫純です。

 


哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


強いネットと弱いリアル

 


ネットは階級を固定する道具です。

 


「階級」という言葉が強すぎるなら、あなたの「所属」と言ってもいい。

 


世代、会社、趣味、なんでもいいですが、ひとが所属するコミュニティのなかの人間関係をより深め、固定し、そこから逃げ出せなくするメディアがネットです。

 


グーグル検索のカスタマイズは、すでにかなり進化しています。あなたがなにか調べ物をするとき、「○○さんだったらこんなことを知りたいだろう」とまえもって予測検索をしてくれる。

 


この技術は今後ますます進むでしょう。自由に検索をしているつもりでも、じつはすべてグーグルが取捨選択した枠組みのなか。

 


ネットを触っているかぎり、他者の規定した世界でしかものを考えられない。そういう世界になりつつあります。

 


感想

 


ネットを触っているかぎり、他者の規定した世界でしかものを考えられない。そういう世界になりつつあります、という最後の部分が印象に残りました。

 


そういう側面はあると思います。

 


下記の本を參考にしました

 


『弱いつながり』 

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東浩紀

幻冬舎文庫

 

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