こんにちは。冨樫純です。
哲学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
パスカルの解決策
こうやってパスカルが気晴らしについて述べていることを見てくると、この思想家は本当にすべてを先回りして書き留めている気がしてくる。
〈欲望の対象〉と〈欲望の原因〉を取り違えている者はおろかである。
そして、知ったような顔をして、そうしたことを指摘して回っている連中はもっともおろかな者である......。
パスカルの言っていることはあまりにもあたっていて、あまりにもあたっているからすこし腹が立つと言ったことの意味がお分かりいただけたのではないだろうか。
すると逆にパスカルに尋ねたくなる。
いったいどうしろと言うのか?
気晴らしを巡る考察の末に現れるパスカルの解決策とは何か?
人間のみじめな運命に対するパスカルの解決策とは何か?
拍子抜けするかもしれないが、それは神への信仰である。
パスカルは、「神なき人間のみじめ」 「神とともにある人間の至福」と言う。
これは、けっして、「神への信仰が大切である」とか「人間は神への信仰によってこそ幸せになれる」などと抽象的に述べられているのではない。
パスカルは人間のみじめさを実に具体的に考えている。
人間が退屈という病に陥ることは避けがたい。
にもかかわらず人間は、つまらぬ気晴らしによってそれを避けることができる。
そしてその結果、不幸を招き寄せる。
この構造から脱却するための道が神への信仰なのである。
感想
下記の本を參考にしました
『暇と退屈の倫理学』
國分 功一郎